第3回:マイクロプラスチック
こんにちは、水波です。
今年の夏は、海に出掛けた方も多いのではないでしょうか。砂浜で花火やBBQをしたり、釣りや生き物観察をしたり。海を見ると気分が高まりますね。
前回は海洋ゴミはどこから来るのかという記事を書きましたが、今回はそのゴミの中でも更に厄介なマイクロプラスチックについて書きたいと思います。
マイクロプラスチックについてはまだ充分に研究されていない面もありますが、その名の通り微小なプラスチックの粒子を意味しており、一般的には直径5mm未満のプラスチックが『マイクロプラスチック』と呼ばれています。
こんなに小さなプラスチック、一体どうやって出来るのでしょうか?
発生源は2つ考えられています。
まず1つは直径5mm未満のプラスチック製品です。レジンペレットと呼ばれるプラスチック樹脂の粒子で、衣類のマイクロファイバーや化粧品のマイクロビーズなどに含まれています。
そしてもう1つは元々海洋ゴミとなっていたプラスチックが摩擦や紫外線の影響で劣化し、粉々になった物です。
マイクロプラスチックは砂浜~海中まで全体に蔓延していますが、あまりにも小さい為に規模の把握ができていないのが現状です。
ある英学術誌の論文によると、海に浮かぶマイクロプラスチックの量は15兆~51兆個と考えられています。
そしてこのマイクロプラスチック、日本のある大学が東京湾で採ったカタクチイワシを調査した結果、8割近くのイワシの体内からプラスチック片が確認されたという報告があります。
マイクロプラスチックは東京湾だけではなく、日本周辺の海域でも広い範囲で確認されており、実際に生態系にも悪影響を与え始めています。
そこで気になるのが、健康や人体への影響です。
プラスチック片は貝類や魚類などからも発見されており、食物連鎖の流れで私達の体にも取り込まれてしまう事は、可能性としては充分考えられると思います。
実際に人の体内からプラスチック粒子が見つかった例はあるそうですが、リスクや健康被害などについての影響は、まだ研究や調査が進んでおらず、はっきりとは分かっていない様です。
しかし分からないからと言って、害を及ぼさない、と言う事にはなりません。その為にも海洋ゴミ問題は深刻な身近な問題として考えていくべきではないでしょうか。
次回もプラスチックゴミについて書きたいと思います。それではまた(^_^)
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