『籠の中の声たち』についての覚え書き

こんにちは。
初めての方、はじめまして。

この短編小説は私の5作目にあたり、初稿は1999年12月に完成しています。
若書きで、かなり昔日の感があるなぁと自分でも思います。

時代性が現れているシーンとして、主人公と携帯電話。
固定電話と携帯電話の使い分けがうまくできない黎明期の頃、携帯電話の電源を普段は切っていて、使うときに入れる、という人は当時少なからずいたように思います。
「看護婦」「テープレコーダー」という言葉も、なかなかの昔感を出しています。

この小説を書いた動機は二つあり、ひとつは東京に住む兄妹弟の三人が、それぞれ別の乗り物で帰省する状況を盛り込みたかったこと。もうひとつは九官鳥。

九官鳥は以前、私の祖父が実際に飼っていて、ものの見事に声帯模写をするので本当に驚いた思い出があります。その祖父が亡くなってしまい、九官鳥も手放してしまったことを後になって聞き、何となく惜しい気持ちがしたことを覚えています。新しく飼われた家で、あの九官鳥は祖父の声を発したり、くしゃみの真似をしているのかな……とぼんやり考えたこともありました。

今回もWEBでの読み易さを考慮して、適宜、行空けを入れました。

お読み頂いた方に感謝を申し上げます。

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