今日という平和な時間を
私が通っていた小学校には図書室が二つあった。
一つは家庭科室などの特別教室や高学年の教室がある棟にあった、机や椅子が並んで本棚がたくさんそびえ立つ図書室。
もう一つは低学年から中学年の教室が入った棟にあった絨毯が敷いてある図書室で、なぜか恐竜の大きな絵が壁画のように貼ってあって、低学年でも全部見られるほどの低い本棚が入り口から窓に向かって一列。そこで私は、寝転がってたくさんの本を読んだ気がするが、何を読んだかはほとんど覚えていない。
けれど唯一、例外的にはっきり覚えている本が