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サビ研2104:蠍座3-4度 高千穂夜神楽「御神体の舞」
サビアン研究会の音声教材<蠍座1-5度>の蠍座3度の解説でSUGARさんが紹介されていた"艶笑譚"「鳥食い婆」の語りを聞いて、この3月に高千穂を訪れて見た夜神楽のことを思い出す。
この夜神楽は365日毎夜行われているもので、本来33ある神楽舞の中から代表的な以下の4つの舞が演じられている。
1. 手力雄(たぢからお)の舞
2. 鈿女(うずめ)の舞
3. 戸取(ととり)の舞
4. 御神躰(ごしんたい)の舞
この中の4つ目の演目「御神体の舞」は、演目紹介パンフレットによれば、
「一名国生みの舞と申しますが、イザナギ・イザナミの二神が酒を作ってお互いに仲良く飲んで抱擁し合い、極めて夫婦円満を象徴している舞です。」
とのこと。
お題目上では、イザナギ・イザナミという"夫婦神"を登場人物とするものの、舞台に実際に現れるのは"神"というよりは、どこにでもいる普通の男女を思わせる、おかめの面をかぶった女と赤ら顔の鬼のような面をかぶった男。
二人は仲良く酒造りの道具を持って舞台に登場し、せっせと酒をこしらえ始める。
そして酒をこしらえているのかと思いきや、だんだんと、「あれ、これ、子どもに見せていいやつ??」とちょっとソワソワするようなシーンがまあまあ堂々と差し込まれる。
・・・つまるところ、酒をこしらえながらちょいと味見を、、としているうちに酔っ払ってお二人なんだかいい感じなっちゃったよ(そうして子は生まれる)、という舞なのだった。
舞の途中途中で、客席からも笑いがこぼれる。
AKIRAさんも「鳥食い婆」でおっしゃっていたように、ひと昔前まであたりまえにあったであろう日本の農村のおおらかさ豊かさのようなものをこの神楽からもおおいに感じられた。
儀式という「型」を通じて繰り返されてきた人間の営みという伝統(笑)を理解するということ、そして性に関わるメタファーという点で、こちらの舞は、蠍座3度だけでなく4度にも通じる気がしている。
先日の深堀講座での、蠍座の1-5度は「口」による交感、という切り口で見てもぴったりだな、と今回の歌会の発表に取り上げることにした。
最後に、神楽殿の入り口にあった書を。
神と人との距離の近さ、見えないものの存在があたりまえに息づくこの高千穂という土地の文化的な豊穣さをじんわりと感じる時間だった。
以下、泊まった宿でたまたま開いた『神楽三十三番 高千穂夜神楽の世界』という本の一節から。
秩序ある四時の運行と日月の恵みによって人は生き、且つ活かされてゆく。その天地自然、宇宙の神秘なる力に神性を自覚し、これに感謝し共鳴してゆく生き方を、私共の祖先は神道と稲作りから学んできた。このことを生活と祭りという形で表現したものが、高千穂の夜神楽である。『神道名言集』に「神は人の敬いによって威を増し、人は神の徳によって運を添う」という言葉がある。なにものかを恐れ敬い、慎むことができるということは、最善の生き方なのかもしれない。
聖と俗、神と人、生と死、相反する二極がなんの矛盾もなく融け合っていく蠍座領域の真髄(おっかないけど魅力的)をあらためて感じ直している。