ファンファーレと熱狂(と薄情と生活)
あの日のことを今も覚えている。
喧騒だけが支配する中で酌み交わされるアルコールが、
私を少しだけ急がせていた。
海中へ足を引っ張られる友人を横目に、私はゆっくりと舟を漕ぐことにした。助けようとしていたのかもしれないが、仮に引き上げたとしても私はきっと港へは向かわなかっただろう。
ここはとても寒いところ。実際とても寒い。
しかしアルコールがあった。唯一燃料となる貴重なものだ。
そいつを使ってどうにか暖を取ろうと思考している最中、
君は突如、私に才能があると言った。
具体的な