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内診グリグリって何? 妊娠37週からの妊婦健診

 いよいよ予定日が近付いてきました。臨月になるとどこからともなく聞こえる「内診グリグリ」。普通の内診と違うの……? 痛いと聞くけど何されるの……? ということで内診グリグリについて調べてみました。37週からの妊婦健診で医師がチェックしている項目について解説します!

① 内診で分娩が近付いているかどうかを判断

 妊娠37週0日から41週6日までの出産は正期産と言われ、それ以外の時期の出産は異常分娩として取り扱われます。37週からはいつ生まれてもおかしくないので、健診の度に「もしや分娩が近付いている?」とチェックするために内診が行われます。
 この内診は別にグリグリと痛いことされるわけではなく、指を突っ込んで子宮頸部の状態を確認するのみです。内診ではBishopスコアという採点方法を用いて、子宮頸管成熟度を評価します。

図1 Bishopスコア

 例えば私は37週6日の健診でカルテをのぞき見したところ、こんな感じでした。
・子宮口の開大度:0cm=0点
・子宮頸管の展退度:40%=1点
・児頭下降度:-3=0点
・子宮頸管の硬さ:硬=0点
・子宮口の位置:後=0点
 合計1点

 と言われても、各チェック項目がよくわからないですよね。助産師用の教科書から引用します。

図2-1 子宮口の確認

●子宮口の開大度
 子宮口が何cm開いているか。

図2-2 子宮口の開大度

●子宮頸管の展退度
 子宮頸管の長さ(外子宮口から内子宮口までの距離)を、3cm=0%として何%伸びているか。

図2-3 子宮頸管の展退度

●児頭下降度
 胎児の頭がどれだけ下がっているか。※骨盤と胎児の位置関係を立体的に示すのが難しいので割愛

●子宮頸管の硬さ
 硬、中、軟。1個だけ例がおかしくない?w

図2-4 子宮頸管の硬さ

●子宮口の位置
 後、中、前。分娩が進むと子宮口が前を向いてくるそうです。

図2-5 子宮口の位置

 陣痛がない状態から前駆陣痛までは基本的にBishopスコアが0~1点で、10分間隔の本陣痛が始まってから徐々に子宮口や子宮頸管の状態が変化してくるようです。臨月は健診頻度が増加しますが、前回と比べて変化があると分娩が近いかもしれない、と判断できます。


② 内診グリグリ=卵膜剥離 破水や陣痛誘発?

 ただの内診は痛くなく子宮頸管などの状態を確認するのみでしたが、噂の内診グリグリというのは何なのでしょうか。
 内診グリグリは正式名称を「卵膜剥離」といい、卵膜は羊水の入っている袋です。卵膜は子宮の壁にピッタリくっついています。卵膜が破れると破水が起こります。

 分娩が進むにつれて子宮頸管がやわやわになるということは、子宮頸管の水分量が増えるなど組織の変化が起こります。この変化はホルモンによって起こされていて、卵膜に刺激が加わると子宮頸管の変化を促すホルモンが分泌されると言われています。
 なので医師が指を突っ込み子宮口から卵膜を剥がそうとすると、ホルモン分泌が起こり分娩に向けて子宮頸管がやわやわに変化し始めます

図3 卵膜剥離のイメージ図


 いくら手袋してるからといって、ろくに開いていない子宮口に指突っ込まれて卵膜触られるから痛いし不快で当然ですねw 「内診グリグリ」だけでは何が何だかわからなかったけど、何をされるかわかったら少し安心かもしれません。
 ちなみに『妊婦健診マニュアル 第2版』には

卵膜剥離の利害得失はまだ定まっていない
『妊婦健診マニュアル 第2版』P.278

と書かれていて、医師の方針によってはしない場合もあるのかと思います。
 

 私は次の健診(38週5日)で卵膜剥離をされるのか、それとも自然に陣痛か破水が来るを待つのか……? 医師の方針が分かりませんが、とりあえず大人しく時が満ちるのを待っていようと思います。


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出典:医学書院『妊婦健診マニュアル 第2版』、メディカ出版『THE 分娩 ビジュアルで学ぶ生理学・助産診断・分娩介助のすべて』

《終わり》

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