【詩のはなし】20歳のとき描いたふたつの詩
20歳のころ
とにかくわたしは
現実と非現実的な世界のあいだで
いきていた
その時に描いたのが
「闇にまぎれて」と「曖昧」のふたつの詩
離人感という症状が出始めたのはこの頃で
毎晩、足が宙に浮いている様な不思議な感覚のなか
深夜の住宅街をあるいていたことは
今でもきちんとおぼえている
たどりつく場所は近所の公園で
途中に自販機で缶コーヒーを買って
公園のベンチでたばこを吸って帰る
ただ、それだけだったけれど
何故かそうすると満たされていた
今でも
ときどき、ふいにどこかに行きたくなる
無性に雨に打たれたいときもある
現実はきらいではなくなったけれど
孤独ではなくなったけれど
それでも苦しくなるときがあって
闇の中に紛れられる存在になりたくなるときが
今でもあるんだ
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