ノートテイカーって知っていますか
ノートテイクってなに?
私が通う大学では「ノートテイク」という活動が行われています。
聴覚に障がいがある学生が、授業に参加できるようにするためです。
多くの人が、
ノートテイク=ノートを取る(書き留める)
と思い浮かべるんじゃないかなと思います。私もこの活動を知るまではそうでした。
ノートを取るというのは誰もが経験していますよね。
先生の話を聞いたり、板書を見たりして書いていきますが、まとめ方はそれぞれです。工夫を凝らしたノート作りも楽しいですよね。
さて、今回紹介したい「ノートテイク」は、ノートを取ることではありません。
授業中の音声情報(耳から入る話や音)を文字にして伝えるのです。
私の大学では、2人1組のペアで、聞き取った音を即時に文字化しています。
即時に文字化?
あれ、やっぱり最初に思い浮かべた「ノートテイク」のイメージとはずいぶん違いますよね。
(ノートを取るんじゃないの…?)
それではノートテイクについて少し詳しく見ていきましょう。
要約筆記
ノートテイクについて、少し調べてみると「要約筆記」という言葉が出てきます。
「ノートテイク」=「要約筆記」と呼ばれていますが、要約筆記とは何でしょうか。
先ほど、大学で行われているノートテイクについて、
「聞き取った音を即時に文字化している」といいました。
授業でノートテイクを行うときは、先生の話をリアルタイムで文字化していくのですが、完璧に追いつくのはとても難しいのです。
ノートテイクとは意味合いが違いますが、完璧に記録するのは「速記」ですね。
追いつけなくなったらどうするか、文字の量を減らします。
そのときに「要約」が発生します。
速記のように記録することが目的なのではなく、「利用する人の耳代わりになること」が目的であるため、ある程度要約をしながら、情報を伝えていきます。
これが、ノートテイクが要約筆記ともよばれる理由です。
どうやってノートテイクをするの?
ノートテイクは、手書きでも、パソコンでもできます。
私の大学ではパソコンを使っています。
手書きの場合は、
・字がきれいかどうか
・書く速さと話す速さのギャップが大きい
・書く人と見る人が同じ紙を見る必要がある
というような問題があります。
パソコンで行えば、複数台を連係させて同じ内容を表示することも容易にできますし、手書きよりも文字化する速度を上げることができるため、話に追いつきやすくなります。
2人で行うパソコンノートテイク
パソコンを使ってどうやって入力するのか。
ノートテイク用のアプリケーションを使うと、2人で協力して入力作業ができますが、2人で打つというのはどういうことでしょうか。
入力者Aと入力者Bが前の「パソコンで行えば…」という文章を入力する場合の1例です。
A:「パソコンで行えば」
B:「複数台を連係させて同じ内容を」
A:「表示することも容易にできますし、」
B:「手書きよりも文字化する速度を」
A:「上げることができるため、」
B:「話に追いつきやすくなります。」
いかがでしょうか。どのくらいで交代するかはそのペア次第ですが、うまく息が合えば、ほぼ聞いたとおりに入力することができます。
体験してみよう
みなさんの身近なところで、ノートテイクを体験することができます。
どんな番組でもいいですがテレビを見るとき、「字幕」機能をオンにしてみてください。
テレビの映像に重なって、完璧な字幕が出てきます。
この字幕は、字幕放送のプロが入力しているため、みなさんもノートテイクを利用するのと同じような体験ができます。
もちろん、生放送はリアルタイムで入力されていますよ。
テレビよりも、YouTubeを見ることの方が多いよ、という人もいるかもしれません。
YouTubeにも字幕機能があります。こちらは音声認識なので、配信者の音質や声と音声認識の相性でうまくいかないこともあります。
テレビと比較できる方は、比較するとおもしろいかもしれません。
字幕放送の入力現場を紹介している動画です。
もっと知りたいと思ってくれた方は
ノートテイクについて、どんなものか簡単にご紹介させていただきました。
今後は、もっと詳しくノートテイクの方法や私がノートテイクをやっていて感じたことを書いていきたいと思います。
お楽しみに!