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家ご飯はいいなぁ

今22時過ぎ。夫が目の前で夕飯をたべている。

1時間前にずぶ濡れで帰ってきて、部屋で休んでからダイニングへ降りてきた。

風が強くて傘がさせないほどの雨量だったという。

駅でタクシーも捕まえられず、途中、傘を畳んで雨の中を歩いて帰ってきた。

台風並みだったという。

わたしは昨夜羽田に着いたけれど、

「今日じゃなくてよかったな」

と言われた。

テレビをつけると飛行機が欠航になっているではないか。おお、昨日でなくてよかった!


それにしても酷い雨だ。

ただ夕食を前に、夫はなんだかほっとしている。

今回、夫にとっては6日ぶりの家飯だ。

弁当も外食も、もう飽きたという。

家ご飯はなぜ飽きないのだろう。

わたしは今、ほとんど手の込んだ食事は作らない。

今夜も、豚の薄切り肉とタケノコと人参と韮と椎茸のオイスターソース炒めだ。

ものの15分ほどで出来上がる。

それでも、なんとも美味しいという。

胃袋ならかつて掴んだような気がするけれど、今はそんなことは恐れ多くて口にできない笑。

ただ、品数とか、手の込んだものとか、まあ、そんなものはあまり関係ないのかもしれない。

「酷い目にあったね!台風並みじゃない、タクシーで帰ってきたらよかったのに。あゝこんなに濡れちゃって」

と慌ててタオルを持ってきて、なんじゃかんじゃと話すのがきっといいのだと思う。

かつてわたしが家を空けることは本当になかった。

こんなちょっとした変化がまた新鮮だ。

こんなざっくり飯でも、

「あゝうまかった」

と言ってくれるのだ。

今年はあと何回家を空けるのだろう。


※最後までお読み下さりありがとうございました。

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