20年ぶりに「電影少女」を読んで思ったこと

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以下、思いつくまま書いてますので文体がかなりグダグダですがご了承ください。

※桂正和作品に関するネタバレがややあり注意

20年ぶりくらいに「電影少女」全15巻を読みました。
きっかけはドラマのビデオガール2018を知ったことです(アマプラで見たものの第2話で止まっているんですが汗)

いやあ、暗いなあ……暗い笑

昔読んだときはあいに感情移入してたんですが、今回なぜかあいよりも、健気でいじらしいもえみの方が好きになってたので、もえみとの最後は悲しかったです。
当時は2巻で終わってしまうレン編の存在意義が全然分からなかったのですが、今回、レン編はいわゆるもえみの位置にいる片思いヒロインと結ばれるifルートとも言えるのかな?と思いました。
レン編はビデオガールを本来のキューピッドにしようかと思ったのは伝わってきたんですが、それにしてはレンの言動がかなりリアルな女の子だったなと。
まあそれが狙いだったんでしょうが、それにしたって、イケメンで処女を失おうとするシーンはやりすぎかなーと。かなり萎えました。
あれイケメンがその気にさえなってたらセックスしてたわけで、もし本当にやっちゃってたならNTRショックどころの騒ぎじゃなかったなあ。その後読むのをやめるレベルだったかも。
主人公にも事あるごとに冷たく、「あなたに構ってるほどボクはヒマじゃないの」みたいなことを言われたときは、突き放された感じでかなりショックでした。
あれ、あの後、主人公が偶然悪い奴の噂話を聞かなかったらどうなってたんでしょう……?主人公を見捨ててたんでしょうか?それとも別の方法でアプローチしていたんでしょうか?
いずれにせよ、「ビデオガール」という架空の存在なんだから、主人公がどんだけヘタレでも、その弱さも認めながら正しい方向に優しく誘導していくなんてのを、もし私だったら書くと思うんですけどね。
そういう意味では、「普通の女の子」をビデオガールにするという、NEO GOKURAKUのスタッフたちとは考え方がちょっと違うんだろうなと思いました。
そうはいっても、なんだかんだで、「オレ」でガサツなあいより「ボク」のレン派だったので、レンのキャラクタであい編のようなストーリーも見たかったなあ……。
レンとの最後の別れはかなり切ないです。まあイケメンとくっつくよりは良かったのかも。
あい編にしても、伸子やもえみが他のへんなのとくっつかなくて良かった。
個人的には複数の女の子から好意をもたれるハーレムもの(?)で、最後は一人を選んだとしても、残りの女の子は別の男の子とくっついて欲しくない……という、かなり勝手な意見を持ってます。
(少なくともマンガのラストでそんな描写はして欲しくない。そういう意味では余談ですが、あだち充の「みゆき」のラストはみゆきちゃんが最後イケメンに惹かれるような描写があって最悪のラストシーンでした。それまでは良かったんですけどね……)
で、あい編の終わり13巻なんですが、なんだか早足というか、「???」となって分からない(というか突っ込みたい)部分も多かったです。なんで洋太はいきなりビデオデッキを壊す気になったのか?とか、ローレックはなんであいの再生時間を延長させたかったのか?とか、え、そんな簡単に記憶って戻るもんなの!?(これが一番突っ込みどころだった)とか、なんでビデオデッキを壊すとローレックが消えるの?とか、上の人(?)はまあどうでもいいとして(笑)、なぜその後あいが復活したのか?とか、当時は単純に「よかったよかった」だけで読んでたんですが、今読むとかなり勢いにまかせたやっつけ仕事だったような気が。
まあ最後は「愛は勝つ」ということで、いいのかな笑。
しかし、多くのマンガでそうなんですが、なぜ、苦しんで苦しんでその果てにようやくヒロインと結ばれたと思ったら、結ばれた時点で終わってしまうんでしょうか。
結ばれた後の、余韻に浸りながらの幸せなイチャイチャも見たいのに。
エピローグというか、後日談が少なすぎる。
ところで私も高校生ほどにはピュアじゃなくなったので、ラスト近辺で一度あいがリセットされたとき「え、エッチはきらい?」というセリフを言ったのにグッときました。
あーもう、これは完全にセクサロイドですわ。
もし今の私が主人公たちと同じ立場になったら「愛なんていらないからなぐさめて欲しい」と思うかもなあ。
3か月で再生が終わるときは泣き叫ぶかもしれないですが、しかもそれは自分自身に向けた自分勝手な涙であって。
そういう意味ではマイにのめり込んだ男性キャラに通じるところがあるのかも。あれは飲まず食わずでトイレにもいかないという、ちょっと極端な例ですが。
まあ、実際にビデオガールみたいな存在があったら、旧GOKURAKUの型(?)であれば、おそらくセクサロイドにするパターンが多いでしょうね……。
NEO GOKURAKUの心がある型だったらどうするだろう……?本気で口説くとか?あい編ではもえみ派に転向した私ですが、改めて読み直すと、レン編ではどうも片思いヒロインよりレン派なんですよね。
ついでにレン編といえば、プロトタイプである必要性が感じなかったですね。プロトタイプだからなんだったというんだろう?

画力はもう全く問題なし。
というかこの人(桂正和)の描く女の子は、どんどんレベルが上がっていって、マンガの表現と写実的な絵の融合というか、絵を描く人間の到達するレベルがヤバイところにまで上り詰めていく笑。
もともと桂正和は15巻に収録された読み切りビデオガールのような、いわゆる一般的な少年マンガ的タッチだったんですよね。
当時週刊ジャンプは追いかけてたんですが、
ウィングマン、ヴァンダー、プレゼントフロムLEMONときて、
いきなり何か壁を突き抜けたような電影少女の絵柄は、まことにビックリしました。
さらに電影少女の後で連載されたDNA2のヒロイン(葵かりん)には、当時、青臭い高校生の私にとって、あの可愛さにノックアウトされました。
キラキラ主人公にメロメロになったときは萎えましたが、第一話では完全にマンガのキャラに恋におちてましたね。
そういう意味では罪深い作品です。
その後、読み切りZETMANやシャドウレディなどを経て、I"sにつながっていくわけですが、I"sは前半は良かったんですが、後半の芸能人になっちゃってからがあまり好きじゃなかったかな。
ネットではI"sこそ至高の作品だと呼ぶ人も少なくないですが。
まあ完成度は高いとは思いますが(また読もうかな)。
そして、桂正和はZETMANでさらに壁を一つ突き抜けることになります。
ZETMANはほとんどシリアス一色で、連載がヤンジャンだったこともありかなり大人向けな感じでした。
残念なのはまだ第一部完というところでしょうか。第二部は出るのかな。
その他、思い返してみると短編なんかも結構読んできたのですが、マニアックなところで言えば「M」なんてのも隠れた名作だったと思います。
だいぶ前に読んだのでもううろ覚えですが、たしか「別れることが究極のマゾ」だとかよく分からない話だったかなー?と。でもそれが当時の私はなんだか衝撃を受けたんですよね。

という訳で、いろいろと書きましたが、とりあえずビデオガール2018の続きを見たくなったなと思うのでした。


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