見出し画像

DXコンサルの在り方(企業のDX推進内製化成功のカギは柔軟性)

STANDARDの伊藤です。これから企業のDX推進に対する思いをここに書き連ねていきたいと思います。
最初のテーマは弊社のような、企業のDX推進を支援するコンサルをどのように扱うべきか、についてです。
私どもの立場から通常言いにくいテーマですが、あえてここからこの記録を始めていきたいと思います。


私は株式会社STANDARDというDXコンサル&E-learningサービスを扱う会社の代表を務めております。
長くコンサル業界に身を置き、DX×人・組織×コンサルの追求という道に今はたどり着いています。
この3つの領域が重なった私たちのサービスは究極の社会貢献性を持つサービスであり、その道を追求する私たちだからできるコンサルの在り方をつくっていきたいと思う次第であります。


コンサルサービスというのは、プロフェッショナルサービスと言われていて、従来型のコンサルサービスというのは有識者ポジション・提案書のスコープは原則変えないがサービスを提供する側としては鉄則です。
特に、スコープを変えないは鉄則中の鉄則で、アウトプットが資料(無形サービスで、提供するものがない)なので、スコープがずれやすい。スコープがずれれば、想定よりも多くの工数がかかってしまい、プロジェクトがひっ迫、場合によっては赤字になるので、提案書のスコープ以上のことはしないようにPMは握るのが基本。クライアントのためにも自分たちのためにも、スコープを動かさないことが重要である。


私もそんなコンサルの鉄則は肌身に染みついていたのだが、コンサル業界での年数がたち、職位が上がっていき、エンゲージメントリードとして顧客とのコンセンサスをとる役目が増えていくにつれてとてつもなく違和感を覚えてきた。
普通に、顧客の目線で考えると、提案書読む段階でのニーズと1か月後や3か月後のニーズなんて変わっていて当たり前で、なぜなら社内の状況は変わっているからだ。


且つ、ことDX推進においては、DX推進の不確実性、難易度、を考えればむしろ柔軟なプロジェクトでないと成功しないのではと思うに至った。
DX推進は難しく、またその人材の育成はさらに難易度が高い。DXという概念的なものを”うちの会社におけるDXの成功というものはこうだ”と定義し、それを推進するために必要な人材を定義し、スキルを定義し、育成を始めるのだが、育成を始めて気が付くのは、育成対象者が出してくる課題やアイディアが効率化寄りで抜本的なものが出ないことである。そこで、もっと非連続的なアイディアを出させたいと思い育成の梶を切る。非連続的なアイディアが出てきたら出てきたで悩むのがGo/No-GO判断である。これは組織として予算を投下していい施策なのか…


悩みが尽きないし、DX人材育成なんて、会社がどのようなDXの方向性を進みたいかで変わってくる。育成して終わりでなく、現場で活躍させないと意味がない。そしてDX人材育成はなぜか投資対効果をダイレクトに求められやすいアジェンダになっている(他の人材育成と違って)。
DX推進の内製化はこの悩みと戦い、軌道修正をし、柔軟な対応してこそ、進む。それができないと内製化なんてできないしずっと外注頼みになる。だとしたら、我々DXコンサルは大いなるチャレンジをしなければ、顧客企業のDX内製化推進は成功しないのではないか。
それが柔軟な寄り添いである。提案書スコープでガチガチに決め切り、握ったものしかやらない定型コンサルはDX推進の内製化に向いていない。
でも柔軟過ぎて全部巻き取ってはひっ迫PJでそれはそれで成功しない。
この難しい塩梅の中で、最大限に顧客のニーズを吸収し(むしろこちらから問いかけしてニーズを引き出すまである)、やれる最大の柔軟性をもって、プロジェクト中にスコープを育てていく、提案を育てていく。
なぜなら我々のミッションは”提案書に記載の支援を実行すること”ではなく、”提案書で打ち取る予定の顧客の目的を実現すること”だからである。
逆に顧客目線では1回のアクションがうまくいかなかったらといってベンダーを切るのは、少し早い。一緒に改善のアクションができるか、デリバリ途中に軌道修正して顧客の変化に柔軟に対応できるかを見極め中長期的にともに変革を推進する伴走者にしていくことが望ましい。(どうにもならないくらいダメなら話は別)




当たり前を変える。顧客の目的の実現を主語に会話する、不要なことでお金をとらない、本質的にすべきことを提案する、顧客に寄り添い、いや寄り添うというより顧客の一員のつもりでよいPJを追求する。
この目の前にいる顧客が最大限成功するためには何をすべきなのかを毎日毎時間考える。
その追及する姿勢がなければ変革になんて寄り添えるはずがない。
なまじ決意では実現できない。


ということで2025年1月より、記す、DX内製化の旅
今年もよろしくお願いします。