ケアマネ見学実習での学び。
いよいよケアマネージャーの実務者研修も終盤にはいりました。いま、いろんなイベントが中止になっていますが、4月からケアマネージャーとしてはたらくひとがいることと、県内にはまだ感染者が出ていないということもあって、このまま最後まで継続するみたいです。
*・・・と言ってましたが、翌朝県内での発生を踏まえて、無期延期となりました。
見学実習はとうに終わっていたのですが、実習のまとめ的なレポート提出もなくてなんだか不完全燃焼なので、ここにアウトプットします。
◆ケアマネは2種類のチームで利用者さんの生活を支援
3日間の実習中、『チーム』ということばをたくさん耳にしたということがとても印象的でした。ということを以前記事に書いたのですが。
とくに、サービス担当者会議で利用者さんと、顔をあわせたメンバーの前で口に出すことで、『わたしたちがこのチームなんだ』と身が引きしまって、そして、なんていうか一緒にがんばろうね、みたいな一体感のようなものを感じることができました。
チームのひとつめは、利用者さんを中心とした他職種でつくるチームです。
サービス担当者会議までに利用者さんの情報をアセスメントしたりして、ケアプランを立案するわけですが、そこまでの過程のなかで、その利用者さんにかかわる各専門職にアプローチをするわけです。
この利用者さんにとってなにが問題なのか、強みはどこなのか、どんなアプローチをしていけば意欲を引き出すことができたり、そのモチベーションを維持したりして、のぞむ暮らしができるようになるのか。
そんな話を会議までにそれぞれ個別で話して道筋をたてていきます。そして、サービス担当者会議ではそれが利用者さんにとって、わかりやすく、意欲が出るような会議のゴールに持っていくために、チーム間で、言い方はあまり良くないかもしれないけれど、口裏合わせをしたりしてのぞんだりしてました。
会議までにケアプランをそれぞれに送って確認してもらって、当日台本もなしに意見を聞く、とかではなく、それまでにちゃんと細かい調整をしておくんです。
そうすることで、会議が時間どおりに進み、利用者さんにわかりやすく伝えることができるのです。
そして、もうひとつのチームは、ケアマネ同士のチームです。
これは、ケースをひとりで抱え込まない、ということはもちろんなのですが、ケアマネふたりで訪問する、という方法をとることもあるのだということです。
実は後日、講義のなかでも出てきたのですが、ある講師のケアマネさんは、インテークという初回面接のときには、基礎資格がじぶんとは別の職種と訪問し、面接をおこなうのだそう。
そして事務所に帰ってきたときに、アセスメントを共有することで、多角的な視点からのアセスメントができ、より深めることができるのです。
きっとそうすることでより、じぶんがどんな視点に偏りがちかということもじぶんのことがわかるのだろうなと感じました。
見学実習のなかでは、ものわすれがひどい利用者さんに対して、覚えておいてほしい出来事などがあるときに、ふたりで同行することで、インパクトをあたえ、印象に残りやすくする手段としての同行訪問を行っていました。
また、ひとりが話しているときにもうひとりが確認したり、手分けをすることでこれもより多くの情報を収集するための手段として行っていました。
利用者さんを中心としたチームとはべつに、ケアマネのチームをつかうことでアプローチの方法を増やすことができたり、アセスメントを深めることができるのです。
◆予後予測と家族との連携
身近に高齢者が増えると、介護保険制度まわりのクレームを耳にすることも増えてきます。
よくあるのが、「要介護度が下がって今までのサービスが使えなくなった!」というものです。
ケアマネさんは、関わっているなかで、要介護度が下がるだろう、という予測はたてられるのだそう。退院するときには、入院で低下した筋力や体力で要介護度は重く出るけれど、自宅で生活してから徐々に元気になって要介護度が下がる、なんてこともけっこうあるそうで。
そういうときには、はやいうちから、要介護度が下がるかもしれないことやそうなったらこのサービスが使えなくなるよ、ということを少しずつ少しずつ伝えておくことで、最初はその事実を受け入れられなくても、何度もいわれることで受け入れられることもあるそう。
実際、「今度の更新で要介護度が下がるから、このベッドは自費になるよ」と伝えると「ええ、ええ。そりゃあええよ」とものすごくすんなり受け入れていたケースを目の当たりにして衝撃を受けました。
こんなにすんなり受け入れてくれることがあるのか、と。
あとは、なんかありそうだな、と感じたときには、これは症状悪化の兆候を察知したりとかしたときのはなしですが、そういうときには、家族に一方いれておくのだそうです。
ひとりぐらしの高齢者もものすごく多い。だから、なにかあったときに短縮1番にケアマネの番号が入っていることもあるみたいなんですが、それをどう対応するか、とか、そんなふうにして急変時にはやく発見したり対応したりできるように調整しておくこともケアマネの大事なしごとのひとつだと感じました。
◆コーチング ✕ アセスメントスキル ✕ 社会資源の知識
ケアマネのしごとはコーチングスキルがとても重要そうだ、といまのところ感じています。もちろんすべてのケアマネさんがコーチングをまなぶ必要はないのかもしれませんが、利用者さんのどのスイッチを押せば意欲が出るのか、というのがわかるようにならないとよりよい支援はむずかしいな、と感じました。
アセスメントスキルは、プロフェッショナルとはアセスメントスキルがあることだとおもうくらい、で、いろんな視点からアセスメントができるようになっておく必要があるのかなとおもうのです。
ただこれは、チームをつくることで補える部分でもあるから、自分がすべての側面からアセスメントできるようになる、というよりは、じぶんの得意分野とそうでない分野、あとはどういう視点に偏りがちなのかということがわかっていればいいと思います。
そんなふうにして、アセスメントを深めていって、どんな社会資源をつかえば利用者さんののぞむ暮らしができるのか、ということになってくるので、社会資源に関しての知識はケアマネならではかなとおもいます。
ここは、ケアマネとしてはたらくのであれば、豊富に蓄えておきたいところです。
◆コーチングが気になる。
実習や講義をとおして、アセスメントスキルがとても大切なのは理解できたのですが、利用者さんのモチベーションアップや自分がやるんだ、という意識になってもらうためだったり、行動変容をうながすためには、コーチングのスキルが必要なんじゃないかな、と感じています。
そのこたえがコーチングなのかどうなのかはまだわかりませんが、いま気になっているスキルのひとつがコーチング。
まずは、ケアマネージャー実務者研修を終えて、その後のスキルアップを考えます。
以上、ケアマネ見学実習からの学びでした。
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