永田カビさんが好きだという話
まだ読んでないんだけど、永田カビさんどうしたの……!見つけてびっくりしてしまった。去年の作品だ。
どんどん吾妻ひでおさんぽくなってる気がするのだけど、永田カビさん。あまりに心配でおいかけたら、いまは「迷走戦士・永田カビ」として連載しておられた…よかった…第1話は「一人結婚式」挙げておられたよ…雨宮まみさんじゃないか……でもそこであっさり幸せにならないところが永田カビさんぽくてすき…
ご存知の人はご存知ですよね。『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』がpixiv閲覧数480万を超えて、単行本化。2017年には「このマンガがすごい!」オンナ編第3位にランクイン。私もpixivでまるっと読んでから、買った気がする。
タイトルで妙に期待をもつ人も多いようなのだけれど、エロ本でもなければ同性愛モノでもないです。生きづらい系コミックエッセイ。
…内容を紹介しようとしたのだけれど、なかなか苦しくなるので割愛。キーワード的には、鬱、ひきこもり、自傷、毒親、生きづらさ、このあたりです。このあたり。
内容以外でいうと、絵がうまい。絵がうまいっていうか、マンガ的構図が巧みというのでしょうか。もともとは別名義のマンガ家としてデビューして、やけくそで書いたこのpixivマンガがバズってしまって、ということらしい。コミックエッセイって内容がよければ絵は二の次みたいな風潮がある気がするのだけど、こちらはどちらも完成度が平均の6倍。(私調べ)
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わけわかんない人には、ほんとうにわけわかんない話なのだと思います。どうして半分ひきこもりの20代女子が、親にお金を借りてまでレズ風俗にいくのか。いや、そういう状況になった前段階からわからないと思う。どうしてまともに働けないのか、どうしてスーパーのレジ打ちの最中に過食の衝動がおさえられないのか、どうしてロッカーでカップ麺をそのままかじって口から血を流してるのか。たぶん、著者本人もわかっていなかったと思う。わけもわからず苦しい沼のなかから、突然レズ風俗という一見アクロバットな着地をきめて、だんだんとあの沼のなかの仕組みが著者も読者も見えてくるという仕立て。
ひきこもりって楽なんじゃないのとか、なんであいつ働かないのってちらっとでも思ったことがある人は、読むと発見があるかもしれない。
え?私? ほとんどそのまま自分のことだと思ったねえ。
うめざわ
*このレズ風俗レポに似てる話があるとすれば、ディズニー映画の塔の上のラプンツェルかなあ。
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