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朱雀ベイダー・源氏ルーク 氷艶2019

ひきつづき氷艶の源氏物語を思い出している。やっぱおもしろかった。HPでキャスト見るとびっくりするよ、朱雀帝と光源氏が並び立ってて。え、朱雀帝なにすんのって思うじゃない。

そしたら、幼い2人の少年がキャッキャウフフするとこから始まって、成長したら兄の朱雀帝が太陽で、弟の光源氏が月で、と、ふたりがよきライバルとして王位を争うということになっていてだな。ははー。
光源氏と頭の中将が青海波を踊るあのシーンは、光源氏と朱雀帝の歌合せをするということに変更。光源氏のライバル(しかも格上)としての朱雀帝って、とても斬新じゃないですか。


でまあ、そのシーンの演出がすごいよかったなー。
それぞれが詠んだ歌、朱雀帝は男性の声で歌われて、それにあわせてスイスの長身イケメンスケーターが烏帽子姿で舞うわけだが。彼が滑るその軌跡にあわせて、墨字がプロジェクションマッピングされていくの。伝わるかなあ。あたかも、スケートリンクという1枚の紙に、スケーター自身が筆となって文字を書いていく演出ね。

なるほど、続け字とスケートのステップって相似形なんだなあと思ったし、真っ白いリンクに真っ黒の字も映えてて、和歌とスケートと映像の完璧なコラボだなあと感動。映像系は、チームラボがやってるのね…納得。



その歌合せの場面でも、朱雀帝には男の声、光源氏には女の声があてられてたように、ふたりは鏡合わせの存在として語られていたのだけどね、そういえば源氏物語の男たちについて考えたことはなかったなあと気づいたわけだ。

なんつうか、あれだな、スターウォーズか。ランビエール朱雀帝は、ダースベイダー。荒川静香弘徽殿がパルパティーン(だっけ?偉くて悪いやつ)。高橋大輔光源氏はルークか。頭の中将はあれかー、ハン・ソロなのかー。(まあそうすると、源氏ルークと朱雀ベイダーが、紫レイアを奪い合うというのもわからんでもないのか………)


まあこうやって改変されるのを見ると、源氏物語、やっぱり女の話だなと思ったわけです。男のキャラクターも少なければ、善対悪みたいなストーリー上の大義もない。情念みたいなもので満ちてるあの日本の話を、現代のエンタメで男女比を意識して作り変えるとこうなるのねえという発見。

こういうのがたのしいから、源氏物語変奏曲フォローはたまらんです。

うめざわ
*いまいちばん光源氏っぽいのは、羽生結弦なのかなあ。生田斗真源氏はただ美しかったが。織田信長の陰陽師は最高でしたね、夢に出てきそうなジョーカー。


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