「父の事」
「父の事」
私の父は2007年6月19日に亡くなった。
葬式の日は猛暑日に近い暑さだった。
父が死ぬ一週間前の会話。
私の事をまじまじと見つめていたので何か重要な事でも言うのかと思った。
父:幸吉、お前も老けたなぁ」
私:とうちゃん、俺が幾つだと思ってんの、もう57才だよ」
*下記の写真はその時のもの。
父の死に顔のスケッチ
*「死と対峙する老人」(父の肖像)キャンバスに木炭、鉛筆
下記:自叙伝「孤高の歩み」より抜粋
父は婿養子であり、母は養女である。
私がそれを知ったのは両親の離婚の少し前であった。
義祖母のヤクは私が生まれた村で一人暮しであった。そこに母である静香が十五歳で養女となり、十六歳の時に父と見合い結婚した。その時、父は二十歳であった。
父が二十二歳の時に兄の謙治が生まれ、その二年後に私が生まれ、弟の渡が二年半後に生まれた。
父は長崎の佐世保で生まれ、幼い時にすでに両親を亡くしていた。母の静香は八女市から義祖母である津留崎ヤクの所に来た。
父は幼少時両親を失って叔父に預けられ、そこで十歳の頃から仕事をさせられた。叔父は家具職人であった。父は十五歳の時にはすでに一人で箪笥を作れるほどの家具職人になった。無給でこき使う叔父の所を去って独立した。その後、転々として、縁があって祖母に気に入られた。
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父は苦労した割にはかなりの楽天家でもあった。
詳細を書くと長くなるのでここでは書きません。
「親殺し」オイディプス的体験(「自叙伝」より抜粋。)
https://note.com/umezaki/n/nc3fd8114cf6b?magazine_key=mb64064e6f61a
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