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2023/12/10 サリアでプルポ

トリアカスティーリャからバルバデーロ(オーモステイロ)の平坦な29.9km

トリアカスティーリャの朝は7時半くらい、まだ暗いうちに出発した。ラガーマンとはこれが最後になるなと思いながら出た。2人のことは好きだが、2人の抱える問題に巻き込まれて巡礼するのはゴメンだと思った。彼もそれを少なからず気に病んでいたし、そもそもラガーマンの第二の人生にボクがいいアドアイスを送ってあげられる気もしなかった。幸あれ。

彼らが歩き出して一ヶ月記念日お祝いワイン。ベガのアルベルゲでいただいたワインもここのブランド。
ここのワインで自分が1番好きなのはべガのバーで飲んだペレグリーノという一品。お試しあれ!

ちなみにさよならした二人組が実は過去にもあった。アストルガの後、1日半くらいご一緒したフランス人の母親と娘がいた。彼女達とも楽しくおしゃべりできたのだけれど、こちらは親子の問題が強すぎた。よく娘が母を振り切って歩いては待ち、一緒に歩いては喧嘩していた。不快なことは何一つなかったが、自分は2人の間に何度も起こる諍いのツマみたいに感じた。ボクは遠くアジアからきた巡礼者の1人の成人男子ということ以外の何者でもない。もちろんそれは正しいのだけれど、彼女達には彼女達以外の全てが目に入っていない、それを受け入れながら太陽の下、ワイン畑や放牧地の脇の道を歩き続けるのは、可能であれば避けたいと思う。

年齢なり国籍、性別に関わらず、一緒に何かの楽しみを見出そうとしたり、感情を交換したり、そういう(暗黙でも)合意が、求める合うものがないと、一緒には歩き続けられない。平等、対等、そういうのが必要である。

話をトリアカスティーリャの朝に戻そう。ルカがこっちのグループにくればいいんだよ的なことをいってくれていたので彼らが朝食を食べているバーに行ってみた。部屋に残っていた傘だか手袋だか、忘れ物らしきものを持って様子をみに行ったのだが、どうもイスラエルの女の子が目を合わせない。嫌がっている感じがしたので、合流せずに一人旅にした。気楽である。

ずっとこんな風景、平地が続くし雨もそこそこ、とにかく平和
サリアの巡礼事務所。日曜で休み。スタンプもらえず

サリアの街からサンティアゴまで歩くと証明書がもらえるので多くの巡礼者がそこから参加してくる。前回きた時ここの巡礼事務所が関所みたいな説明を受けたので、湿気目一杯の森の中をひた歩く。順調に辿り着いてみたらなんと!日曜で休みだと⁈関所じゃねえのかよ笑!現実はただの公的機関のいち事務所といったところか。

急に色々緩んでガリシア名物、Pulpoをいただくことにする。軽く歩いて川岸に出入りの多い良さそうな店を発見!カウンターに通される。

サリアのプルポ、タコ。確か13ユーロくらい。赤ワインは多分タダ

軽い塩味で肉厚ながら柔らかい。茹で方が上手いのか、タコがいいのか。ワインはここもタダだった。スペインルール、気分上々。

サリアに泊まってもいいのだけれど、前回と同じアルベルゲを目指してみた。そこは窓がデカくて、開けると全面に芝生の空き地があって、裏にはプールもあって。あの平和的な、ちょっと恍惚とした気分にすらなった日当たりのいいアルベルゲをまた味わいたくなったのだ。ぬかるんだ森の中をひた歩く。

ジブリに出てきそうと思いパシャリ

なんとかお目当てのアルベルゲに着いたが冬は休み、仕方なく先に進む。バルバドスのオーモステイロというところのアルベルゲでやってるよーと声をかけてもらったのでそこにチェクインする。ベガの女将さんがオーセブレイロ以降はムニシパルは必ずやってるはずと言っていた。本当だ。

洗濯などのひと通りの用事を済ませて17時前、ふと窓下を見るとイスラエル人とオーストリア人の2人が歩いている。彼らは久しぶりに会ったカップルと思われ、それにも関わらず1日に30km以上歩くんだと、ほぼ全部が理解不能だった。そしてルカはいなかった。彼は一度めのカミノで長い距離を競うように歩くのは無意味だと学んだと言っていた。サリアの街で飲んだくれているのかな?

お腹が空く。この小さな集落にレストランなどないのでサリアの街で仕入れていたスナックとチョコレートで晩御飯を済ませる。

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