119冊目:元気やでっ!/山本純二・土屋守・次原隆二

こんばんは、Umenogummiです。

今日は辛いいじめに立ち向かうお話です。
今日はテーマ的に、少し重くなってしまうのですが、ご了承ください。


元気やでっ!/山本純二 作画・土屋守 原案・次原隆二 脚本


いじめによる自殺が相次いでいた90年代、この社会問題を重く受け止めた少年ジャンプが、問題提起として連載を開始しました。


女子中学生の佐伯幸子は班替えで同じ班となった伊藤・山内・吉田と仲良くしようと、いうことを何でも聞いていました。しかしそのことが3人の行動をエスカレートさせ、やがていじめに発展していきます。はじめは見てみぬふりをしていたクラスメイト、事なかれ主義の担任もやがてその輪に加わり、幸子は追い詰められていきます。

親友の優香、学校の中で唯一幸子の問題を親身に考えてくれる教育実習生の榊、そして家族に支えられながら、幸子は学校といじめ問題と向き合っていきます。


正直ラストは不完全燃焼な部分があります。でもきっと、それが現実なのだろうと思います。
このマンガを読んだのは、ちょうど思春期で、学校での人間関係に悩んでいた時期でした。自分の状況と重ねながら、幸子の強さに勇気をもらいました。


2020年現在の今も、いじめはなくなるどころか、インターネットやスマートフォンの普及から陰湿にひどくなる一方です。まだ夢や希望があふれている10代の若い命が失われてゆくのは本当につらいです。


もし、今いじめや人間関係に悩んでいる人がいるとしたら、一度そこから逃げてほしい。
幸子がそうしたように、逃げてもいいんです。
命がかかった状態で、逃げることは決して恥ずかしいことではないです。
先生が何と言おうと、クラスメイトが白い目で見ようと、逃げて逃げて逃げて、そして生きてください。
いつかきっと、生きていて良かったと思える出来事や素晴らしい経験ができるでしょう。

私が学生だった頃は、今ほどフリースクールや通信制の高校がなくて、あまり逃げ道がなかったように思います。
それでも私は今ここにいて、大好きなマンガや本を読んで、支えられ、こんな青臭い文章を書いています。

今は、選択肢がたくさんあります。勉強はやる気次第でどこでだってできます。しかも今は多様性の時代ですから、自分の好きなことや得意なことをどんどん伸ばすチャンスにあふれています。

若さはとても大きな武器で、きっと何だってできます。いつか、自分をバカにしていた人たちを見返してやりましょう。
今を超えて、生きていくことこそが大きな仕返しになると思います。


一方で、だれもがいじめの「加害者」となってしまうこともあります。見て見ぬふりに罪悪感を感じながら、それでも自分がいじめられる立場になってしまったらと考えると、そうですね、わかります。とても難しい立場です。

それでも忘れないでほしいのは、強い言い方になってしまいますが自分がだれかを殺してしまう可能性がある(私はいじめを苦にした自殺は殺人と変わらないと思います)ということは、心に留めておいてほしいです。


ついつい熱くなってしまいました…。明日からはまたゆる~くおススメ本を紹介していきます。


たぶんもう手に入りにくいと思うのですが、こんな時代だからこそ読んでほしいマンガです。ぜひ電子書籍でもいいから出してほしい…!

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