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たいせつな3年間
3年間勤めた、大切な店を異動することになった。年明けから立場を変えて、別の店に異動する。ここで働き始めたときのことを思い出すと、1年弱引きこもりでニートをしてた、人生で1番(だといいな…)深く落ち込んでいた時期だった。就活もうまくできなくて、何度も立ち止まって、その度に浮かぶのは「スターバックスでまた働きたいな」という思いだった。
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パワースポットにしてた
学生のころ3年半働いて、卒業するときに盛大に送り出してもらって、新しい場所で、環境で輝くんだよ!!って背中を押してもらって、実際、わたしはすぐに輝けなかった。
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本当はずっとまたあの場所で働きたいと思ってた。でも、こんなにすぐだいすきな場所に戻ってしまったら、自分に甘い、負けだとなぜか思っていて、本当はひとりきりで考える毎日、1日に何回も採用サイトを開いてたけど、なかなか踏み込めなかった。
学生のころは、学生だったからこそ、あんなに楽しくて、充実してたんだ。だからその綺麗な思い出だけで戻っちゃいけない。ずっとそう思い込むようにしてた。
でも再就職しなきゃといろんな企業を調べて、自分を深めるうちに、やっぱりたどり着くのはここだった。だから、戻ってきた。
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また同じ場所に戻ることプラス、フリーターになることが、自分のなかで大きな抵抗だった。これまで真面目に勉強もしてきたし、そこそこの優等生でいたから、そんな未来想像してなかった。そのころ私は、狭い価値観で、フリーター=ちゃんとしてない人って印象を持っていたので、とても悔しかった。
実家に帰るとおばあちゃんが「なっちゃんは今まで順調な人生を歩んできたから…こんなこと初めてだもんね」と、そんなつもりはないかもしれないけど、いまのわたしを否定するような言葉を毎回言ってきた。
高校や、大学の同期がどんどん仕事でポジションを上げながら成長する姿は、正直悔しくて、なにも心から祝えなかった。
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しかし、フリーターであることは途中から全く気にならなくなった。本来会社員として働いてキャリアを積んでいるはずだったわたしの3年間は、自由に好きなことを好きなだけする、自分を見つめる3年間に変わった。
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この3年でわたしはまず、もうひとつ憧れの仕事を始めた。それがライターの仕事。今は大好きなビールのメディアで、都内のお店に取材に行って紹介記事を書いたりしている。もともとビールが好きだったのだが、この仕事を始めて、ビールの造り手や提供をするお店側のひとのこだわりを聞いて、もっともっとビールの世界に魅了された。
そして、仕事を通してビールという趣味を深めるきっかけをもらい、今では休日は大好きなビールを飲みながら過ごす時間が何より大切になっている。
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また、自由な時間があった分、大学生の延長のように、自分のことをじっくり考える時間が持てた。正社員として働きながらこれができるのは、かなり器用なひとじゃないとできないと思う。わたしはそうではないので、この期間がすごく重要だった。
もともと周りと比べたり、他人の評価ばかり気にしていたわたしだったが、今は周りと比べるのではなくて、ただただ自分を見つめられるようになってきた。
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恥ずかしくて敢えてその内容まで書かないんだけど、今は自分の大切にしていることがはっきり言えるし、それをまわりの人に伝えるために、わたしはこれからも仕事をするんだと思う。仕事で関わるひとだけじゃなくて、友達や家族なんかのまわりの人に、そんな思いをちょっとでも(押し付けがましくなく)伝えられたらいいなと思う。
自分の生きる意味とか、目的をついつい考えてしまうわたしにとって、それが見えない、闇雲に動くしかないという時間はすごく苦痛なものだった。きっと、これからもまたつまずいて、考え直さなきゃいけないときが人生のなかには何度かあると思う。でも、なんとなく考える方向性を得た今の私は、今までより悩む時間が少なくて済むと思う。
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そんな、自分のことをしっかり見つめることができる自分になれたのは、いまの仕事が大きく影響している。仕事のなかで考える機会や時間を与えてくれて、一緒になって、自分のことのようにわたしのことを考えてくれるひとが側にいた。
わたしが悩んだら助けてくれたり、やりたいことを「それいいね!」と二つ返事で協力してくれる職場の仲間がいた。みんながそんな風に人とのつながりを大切にして、同じ方向を向ける環境ってなかなか無いんだと、この期間で痛感した。
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だからわたしはこの場所で得たものを大切にしながら、感謝しながら、これからもつまずいたりへこんだりしながらも、しっかり生きたいと思う。
ここは、私の人生のひとつの区切り。
これまでのように、これからも真っ直ぐ頑張りたい。