ふれる体温 はかる体温
先日、娘(8歳)がインフルエンザになりました。
その時のこと。
「熱を測ってごらん、おそらく38.7°ってとこかな」と私。
しばらくすると表示が出る。
「本当だ。ピッタリ当たってる」と娘。
抱っこした時の感覚、手足、おでこに触れた時の感覚でにだいたいの体温がわかるのです。
きっとこれは私だけでなく、小さなお子様といつも接している人であれば誰しも持ち合わせている感覚ではないでしょうか。
私の場合は以前、妻が出産後体調を崩し、生まれたばかりの娘と私との二人暮らしの時間が一定期間あり、そこでこの感覚を得ました。
私がまだ鍼灸学生一年の時でした。
両実家への往復と通学、、
3時間おきにミルクをあげたり、オムツを変えたり、一緒にスーパーに買い物へ行ったり。
勉強は夜中にひっそりとしていました。
抱っこ紐やベビーカーでどこへでも出掛けていき、色々あったけれど、今となっては娘との楽しい思い出。
その時期に何度か娘の発熱を経験したのです。
あ、いつもと違う。
身体が熱い。
肌が違う。
呼吸が浅い。
脈は、、やっぱり早い。
そんなことに度々直面しました。
改めて貴重な経験だったなあと思います。
といいますのは、指圧院をするようになった今になって、この感覚がとても役立っていると感じることがあるからです。
私達は病気になると病院へいきます。
現代医療は、症状を数値化、画像化する医学です。異常が検出されれば処置が行われますが、何もなければ何もされません。
そこで医療と患者様とのミスマッチが起きます。
“私、こんなに辛いのに異常がないの?”と。
絶対おかしい、何かあるはず、と医師に食い下がれば、
“そんなにお辛いようでしたら痛み止めのお薬出しておきましょう”と言われる始末。
現代においてはそんなことは珍しくありません。
現に、当院にはそんな患者様がたくさんたくさんいらっしゃいます。
指圧は幸いにも、患者様のお身体と60分ないし90分じっくりと向き合うことができます。
その際、患者様が色々とお話になる場合もありますし、静かに受けられる場合もあります。
いずれにしても、その中で少なからず感じとれるものがあります。
私が思わず口にします。
「こんなになるまで、きっと頑張られたんですね。」
患者様とそんなふうに心のあたたかな交流ができたのなら、治療は成功を約束されたようなもの。
その施術はきっと上手く運びます。
たしかに数字や画像に現れるものは現代医学の治療にはとても重要な情報です。
しかし、人と人との触れ合いということにおいては、この原始的な感覚こそをいつまでも大切に持っていたいなと思うのです。
#インフルエンザ #発熱 #東洋医学 #指圧 #鍼灸
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?