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どうして「家を建てる」仕事に就いたのか

新卒で就職した広告代理店を1年で辞め、23歳の私はなぜか、地元の住宅工務店に転職しました。

アラフォーになった今では、フリーランスの発信者として「家を建てる」関連で進んでいく覚悟をしてるのですが、
そもそもどうして若き日の自分がこんな道を歩もうと思ったのか。

思い出したのは、母の背中。
そして、やっぱり、「家を建てる」仕事好きだな、ってこと。

「家を建てたい」

私の覚えているなかで、家を建てることに人一倍思い入れがあったのは、母です。
母は「家を建てたい」人だった

いまの私の実家を設計したのは、母です。
母は、公務員。
当然、設計の資格などありません。
しかし、実家の建て替え図面の8割は母が考えたアイデアです。


実家は、私が小2のときにに購入した古い中古の家。
母が毎晩遅くまで方眼用紙に向かい、家の図面を書いていたのは、私が中学生くらいのころだったと思う。
仕事で疲れてるのに、なぜか一時期夜な夜な方眼用紙に向かっていて、不思議なことに、建て替えの計画など全く進めていなかった

「今日はここを階段にしてみた」
「やっぱり洗面はこっち向きがいいと思う」
「この家はこっちから日が差すから、ここから光を取るの」
母は、何度も図面を描き、消し、描き、理想の家について話していた。

当時、父が「根詰めすぎだろ」と母を叱った言葉を、鮮明に覚えている。

そりゃ、予算の目途もないのにただただ「いつか」建て替えるために、
夢のマイホームを図に落とし込まれたら、パートナーとしてはたまらないよね。

図面ブームはしばらく続いたあとに落ち着き、
いよいよ本当にHMなどに足を運ぶようになったのは、
ブームの10年くらい後でした。

誰かの役に立つなら「家を建てたい」人の役に

新卒就職1社目の仕事も好きだったのですが、いろいろあって、やめようかなと転職サイトを見ていた時に、
目に留まったのが、工務店の営業募集でした。

生きてる限りどの道働かなきゃいけないのだから、
誰かの役に立たなきゃならないのなら「家を建てたい」人の役に立てたらいいなと、ぼんやりと思った記憶があります。

運よく(悪く?)、建築の知識などがなくても、他業種からの未経験転職でもOKの会社で、直感的にその工務店に転職しました。

「家を建てたい」人と話せる幸せ

工務店は良くも悪くも体育会系(最近あまり聞かなくなっった表現ですね)で、終電まで働き通しだった前職での暮らしぶりと、ほとんど変わりませんでした。
しかし、なぜか工務店の方が、圧倒的に楽しく感じました

1つ1つのプロジェクトにチームで向かい合えるところや
BtoCの職種でも顧客とこんなに長く付き合う仕事もなかなかないところ
知れば知るほど世界が広がる感覚が好きでした。

利益とか棟数とか歩合とか、当時もありましたが
「稼げるから」工務店で働いている人は、実はそんな多くないような気がします。

多くの営業は、「家を建てたい」お施主さんと仲を深めて完成に向かうのが楽しくて働いているんじゃないだろうか。

今も「家を建てる」仕事を続ける理由

両親が実家を建て替えたのが、私が工務店に転職した2年後でした。

父と母が主に住む家なので、自分の勤務している工務店をあえて勧めず、母の好みに合いそうな他の工務店をさがして、打ち合わせにもついていきました。

心意気ある営業さんと出会えたことが何よりの幸いで。
母の図面をほめながら、さりげなく構造・採光計算が通るように手直ししてくださり、母の理想の住まいが完成しました。

驚いたのは、
あれほど夢に見た10年越しのマイホーム計画なのに、
母は相手の工務店に思いを全く伝えないのです。

この時、
どのお施主さんもそれぞれ家にとっても思い入れを持っているんだと、再認識しました。

それまでは根詰め図面おばさんの母が特殊なんだろうと思っていましたが、
普通のことなんです。
他のお施主さんも、大人だから顔に出さないだけで、とびきりの思い入れを持って家づくりに挑んでいるんだと、体感した日々でした。


今でも家づくりの仕事には特別な価値があると自負できるのは、その時の体験があると思います。
「家を建てたい」という多くの人が強く持っている気持ちに応えられるのは、やっぱり幸せな仕事。

こういうところが、工務店を退職してしまったいまでも、フリーランスとして家づくりジャンルに携わり続けたいと感じる根底だと思います。





納期と育児に追われて、方向を見失いがちなアラフォーフリーランス。
どうしてこんな仕事してるんだっけと考えたら、意外とエモい記憶を思い出して、やっぱ頑張ろ、と思った話でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

執筆者:うむる|工務店専任 ライター&オンライン広報
☑ 元注文住宅工務店の営業職
☑ 出産後に産休復帰できず、やむなく工務店を退職
☑ 3人の子どもを育てるママ
☑ 2019年9月から住宅記事の在宅webライターとして活動
在宅ワーカーでも住宅業界に貢献したいがモットー

住宅や不動産などをテーマとした記事執筆・SNS運用を承っています。
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