Infinity

その人は職人だった。
毎日毎日数時間かけて、何個も陶器の器を作り上げる。
その最中、彼は歌を唄う。
その歌の響きはとても恍惚としていて、さながらセックスの絶頂が何分も何時間も続いているようだ。
無心で作り上げる、機能性を兼ねそろえた美しい陶器の器。
その滑らかさ、手に取ると、しっとりと濡れているようだ。
そしてその器全てが、全く同じなようでいて、一つとして同じものがないようである。
悦びの歌を唄いながら、彼はその幸せの中に、神を知るのだった。

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