始まりがあれば終わりがある


この世の真理だよね。表題の通りを痛感したここ最近。

2ヶ月くらい前だったか?に、私の大好きなメルクストーリアというゲームのサービス完結が発表されてしまいました。サービス完結、と前向きな言い方をしてくれているけれど、どのゲームでもいうような、一般的な『サ終』と同じことです。

ゲーム内コンテンツがどんどん縮小されていく動きを見せていたからそこまでの衝撃はなかったけれど、いざ言われるとさすがに心にくるものがある。

インストールとアンインストールを繰り返し、やっていない時期もありながらもかれこれ9年くらいお付き合いをしていました。熱しやすく冷めやすい私にとっては珍しいこと。

今回はつらつらと思い出を振り返りながら好きなストーリーの話などをしていきます。


メルクストーリアは『癒やし』をテーマにしたラインストラテジーRPGです。

多種多様な性能のキャラクターたちを編成して、モンスターを倒しながらゴールを目指すゲーム。
ここの『倒す』というのは実際に倒しているわけではなく、歪められてしまったモンスターの心を『癒術』という類稀なる力で癒しています。

モンスターは人間を襲いますが、傷つけたくて傷つけているのではない。そうせざるを得ない何か、を生まれながら心に植え付けられてしまっているため、人間を見ると狂暴化してしまう。
それをフラットな気持ちで対話のテーブルにつける状態まで持っていくのが『癒術』なのです。

私がメルクストーリアで一番好きなところは『ストーリー』の部分にあります。前述の『倒すではなく癒やす』に相応しく、とにかく優しいストーリーなのです。

『メインストーリー』『国別ストーリー』と2つの種類に分かれていて、同じ世界線というわけではなく平行した世界のようです。どちらも癒やすということは変わりません。
メインストーリーは大きなくくりとして1部と2部からなる、2部構成です。

1部ではこのゲームのダブル主人公と言えましょう、『ユウ』という無気力だった男の子(ユーザー)と『メルク』という水で出来た謎の瓶詰美少女が、旅の途中で様々な仲間と出会いながら『メルク』の出自の謎、襲い掛かってくるモンスターの謎を解き明かすお話です。
2部では『メルク』の謎が解き明かされた後、物語の舞台でもある『メフテルハーネ』という世界にまつわる、更に壮大な謎をまた新しい仲間と出会いながら解き明かしていくお話です。こちらは現在進行形。2月10日の更新を以て完結となる模様です。

どんどん増えて賑やかになっていく主人公パーティにほっこりします。
私は特に2部が大好きなのですが、1部も好きです。
どちらにも共通で言えるのは、『相互理解を諦めない』『共生を諦めない』物語であるということです。
命としての種が違っても、言葉が通じなくても。考え方が違っても、立場が違っても。対話の末に理解できなかったとしても、それぞれの『正義』が違っても。メルクストーリアは全てを掬いたいのです。手を取り歩いていきたいのです。何も諦めたくないのです。

それが如実に表れているのが1部中盤辺り、『学問都市』という章だと思っています。

少しネタバレになってしまうかもしれませんが、この章では『モンスター』『人間とモンスター』『人間』と3つの立場がハッキリしています。
モンスターに育てられた青年とモンスター、モンスターと人間両方に育ての親がいる女性、モンスターが人間に害を為すなら武を以て追い払うことも厭わない研究者といった具合に。

この話は、研究者が『モンスターから受けた傷を治す薬』の研究のためにモンスターの巣に立ち入り、そこで丁度孵ったモンスターの赤ちゃんが研究者を母親として認識してしまう、という所から始まります。

当然モンスターのお母さんにとっては、生まれるまで大事に大事に卵を温めてきたのに、突然子供を攫われてしまったのと同じことです。
でも、赤ちゃんの刷り込みは変えられません。

悪者なんていないのに、それぞれの立場が違うために軋轢を生んでしまう。みんな、自分の周りにいる大切なものを守るために対立してしまう。お互いのことを知らないから、恐怖を抱いてしまう。

『モンスター』と『人間』を繋ぐために奔走するのが『人間とモンスター』の立場である女性です。

事態はこの女性とその仲間、もう1人青年の働きにより丸く収まるのですが、多大なネタバレになってしまうので割愛します。

代わりにこの章の好きな台詞を引用します。

『星の位置を変えることはできない。だけど
つなぎ方を考えて、ある形を見出すことはできる』
個人をそれぞれ星になぞらえた言葉です。
これこそメルクストーリアを表していると思います。
位置を変えることはできない。だけど関わり方を変えることはできる。譲れないものがあっても、新たな関係を見出せる。点と点を線で繋ぐことができる。これがメルクストーリアの『軸』なのです。

メイン2部はその軸をそのままに、愛について更に掘り下げていく形になっていると思っています。『願い』もキーワードになっているかもしれない。健やかに生きて欲しい、笑っていて欲しい、幸せでいて欲しい。けれどそれを押し付けるわけではない。だけど、かけられた側はその願いに応えるのです。そこには愛があるから。
メイン2部では特に一言で表せられない色んな関係性がめちゃくちゃな濃度でどんどんお出しされていきます。私は更新の度にめちゃくちゃになっています。

思ったより長くなってしまったので、一旦この辺で締め。国別の話もしたいので別記事に書こうかな。

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