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地獄のように

職場の高齢者介護施設でのこと。

うちの地域は
コロナ感染者数が多くて
近所のおうちも、子どものお友達のおうちも
コロナ陽性になりました。という家庭が増えてきました。
夏休みに入って、身近に急激に増えた印象。

もういつ誰がなっても不思議でない。と思いながらも
介護士という職業柄、絶対に感染するわけにはいきません。
ただの非常勤パートでも。
勤務中だけでなく
勤務時間外も感染対策を怠らず、結構緊張感を持ち動いています。
それはわたしだけでなく
わたしの家族にも気をつけるように
ある程度制限もして暮らしています。

実際に自分が感染したら
職場にも多大な迷惑をかけるのと
それよりもなによりも
入所している高齢者の方たちの命に関わることに繋がるので、
絶対に感染しないように、日々気をつけて暮らしています。
世の中が
コロナなんて風邪と同じだ、という風潮でも。です。

職場では定期的にpcr検査を行っているのですが
夏休みに入ってからこの検査で陽性になる人が増えてきて
わたしのいるユニットからも濃厚接触者がでて、それに伴い隔離対応を取ることになりました。

この隔離対応が地獄でした。。

※ ※ ※ ※ ※ ※

いつもはユニットのリビングなどで集まったり、それぞれ自由に過ごしていただいている
10人の高齢者のみなさんに
1人部屋個室で過ごしてもらうという隔離対応。
食事も排泄もお部屋で、一歩も外へは出れません。入浴もなし。

お部屋にはトイレがないので
自立の方にはポータブルトイレを設置。
しかし同時に他のユニットも多数隔離対応になったため
ポータブルトイレの数も足りない状態。

とにかくいろいろ足りない。

食事をするテーブルも椅子もない状態。
いつもはリビングで集って食べる方が多いので
全員が個室でお食事、となると設備不足するのです。
必要なものだし、調達するか購入してくれないのかと聞いたらば
他のユニットもないし、テーブルなら
椅子か棚使って
工夫して食べて。とのこと。

※ ※ ※ ※ ※ ※

介助に入る職員はビニール製の使い捨て防護服を着て
マスク二重、フェイスシールド、ヘアキャップ、シューズカバー、手袋二重で
各お部屋に入り対応をしていくのですが
ほんとうにとにかくあついのです。

大きな声で言えませが
ビックリすることに
一部エアコンが壊れていて
室温調整が充分にできない状態で
だいたい27度前後の室温で湿度は高く、
コロナ対策と同時に
熱中症対策にも神経を使いました。

一部エアコン壊れていることは
ご家族はご存知ないと思います。
コロナ禍でご家族は施設内への立ち入りを禁止されていることをいいことに
外からみえない場所の清掃面や設備面のことは後回しになることが多いと感じています。
この状況、わたしが家族の立場だったら
心穏やかではないと思います。

※ ※ ※ ※ ※


天気予報で熱中症アラート出てるような日。
暑くて汗がでても、防護服着ているので
通気できず、蒸し風呂状態。
フェイスシールドは熱気でくもり
すぐにおでこに近い部分から蒸気で水滴がつきます。
マスクは内側は汗でベタベタ。

しばらく経つと
あつすぎて
防護服着ていてもあつさを感じなくなる時間がきます。
職員も熱中症対策をとらないと危険なのですが、水分をとるわずか数秒も時間がない状態。トイレに行く時間はもっとないです。
水分とるのもトイレに行くのも
がまんをしてしまいます。

そういえば都会のオフィスで働いていたときは10時と15時に10分休憩があったけど
介護現場には10分休憩なんてあるはずなく、
それどころか昼休みがないこともまあまああります。やるべきことがありすぎて
忙しいのです。。

※ ※ ※ ※

職員もツライけど
やはり入居者さんたちが1番大変で
いろいろなしわ寄せがいっていると感じます。

隔離期間中に職員が排泄介助に入る回数は
1日3回だけ。1番大きいパットをあてて、それで過ごしていただきます。
この期間、洗浄ボトルが汚染されるためとの理由で、陰部洗浄もなし。
使い捨てのペットボトルでもいいのでは、と思ってもそれの用意もない状態。
ひたすらおしりふきで拭き取り。

寝たきりの方は
通常時は寝たきりにならぬように
車いすに移乗して移動もするのですが
隔離中はベッドの上のみ。除圧でクッションなどはあてて、褥瘡にならぬようには気をつけて。

食事は食器は汚染されるので
すべて使い捨てプラ容器にもりつけ。
通常時はそれぞれ食べやすいように介護用のスプーンとか器があるのですが、使えず
すべて使い捨てのものに切り替え。
食事介助が必要な方については
食事量も減らします。
食介に時間がかかると感染リスクが高くなるため、食事量を減らし食事時間を短くし、職員の接触時間を減らすため。
減らした分のカロリーは栄養ゼリーなどで補助します。

※ ※ ※ ※ ※

これが高齢者施設での隔離対応ですが
これが正解なのかなぁと
仕事しながら思うのでした。

今回は濃厚接触者のみで
入居者さんに陽性者がいないので
まだ気持ちにも余裕があった感じですが
理不尽なこともあったし
腹もたったし。

世間は制限しない夏休みを送っているというのに。。

わたしたちだけがこんな隔離対応をして、意味あるのかしらと
愚痴もいいたくなるのでした。



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