永遠のブログ友達
15年以上前のこと。
当時ブログ全盛期で
わたしはヤフーブログを使って
ある地区をテーマに日々記事を書いていた。
けっこう多くの人に読んでもらえるようになって、定期的にコメントをくれる人も出来た。
コメントくれる人のほとんどは
同じヤフーブログを利用してる人で
コメントくれた人にはコメント返しに行く。という作業をひとつひとつ行っていた。
それが一種の礼儀のようになっていた。
インターネットがやっと普及し始めたくらいの時期で
純粋に楽しんでやりとりをしている人が多かった時期だったと思う。
熱心にやりとりを続けても
ブログ辞める人もいて、
最近あの人からコメントないなぁ、と思って辿って行くとある時期から全く更新されていなくて止まってる。とかは
あるあるだった。
わたし自身もヤフーブログから
ミクシィに移っていったし、
移ってからは徐々にブログは更新しなくなり、いつしか自分のページを開くことすらしなくなった。
本来ブログから離れた時点でブログ友達との関係は終ってしまうけど
ひとりだけ、そのあとも繋がっていた人がいた。
その人は女性で
わたしと同じ地方に住んでいて
音楽の趣味も似ていた。
お互い、筆まめで
必ずコメントがきたし
わたしも必ず返信して、コメント返しをした。
ヤフーブログ自体、いまはもう運営されていないのだけど
彼女はブログを引っ越して
そのときもきちんと
引っ越しました。と連絡をくれたし
ミクシィとフェイスブックも繋がって
しばらくはそこでもやりとりをした。
そのあとは
ミクシィを辞めて(いまミクシィはどうなっているのか、パスワードも忘れたので見れないけど)
フェイスブックは削除してしまったけど
それでもインスタでまた繋がって、
最初にネット上で出合ってから
かれこれ15年以上過ぎた。
あるとき本当に偶然、その日
近くにいることがわかり
会えませんか?とお誘いしたのだけど
お返事は、ごめんなさい、だった。
(実は男性、とかではないです)
そのあとも会えるチャンスは何回かあり
同じ会場のライブを見に行っていた時もあった。
彼女が会う気になれば
わたし達は
リアルで会えたと思う。
でも彼女はハッキリ言わなかったけど
リアルにわたしと会うのは避けていたのだと思う。
少し不思議な関係だった。
だいぶ近い関係になっても
メールはたくさんくれても
会おうよ、と提案すると
必ずなにか理由をつけて会おうとしなかった。
数年前には彼女のご家族の方とも
会う機会があったのだけど
そこにも彼女は来なかった。
15年間も文字と写真でやり取りしていて
お互いのこともだいぶ知っているのに
会ったことはない。
実際はどんな人なのか気になったけど
でも無理に会いたいとは思わなかったし
彼女が会わない選択をしてるなら
それでいいと思っていた。
そのあとも
密なやり取りはしなくなっても
ときどき連絡しあい
プレゼントを送り合い
年賀状もやり取りした。
去年、
1度だけ彼女と連絡が取れなくなったときがあった。
インスタは見れなくなって
ブログは更新されないまま止まっていた。
そんなことは初めてだったし、どうかしたのかな、と心配していたら
郵便で手紙が届いて
乗っ取りにあってしまった。とのこと。
新しくアカウントを作ったので
そっちから連絡くださいねーという事が書いてあった。
他に便箋5枚くらいに
彼女自身とご家族の近況も書いてあった。
こんなにたくさん
よく書いてくれたなぁと感謝して
すぐにあたらしいほうの
アカウントから連絡してみた。
わたし達はこれからもずっと
この関係が続いていくと思っていた。
完全に切れることはないと
確信していた。
※ ※ ※ ※
今年の夏になる前。
ふたたび彼女から連絡が来なくなった。
インスタとブログを見に行くと
どちらも少し前の日付で止まっていた。
数日おいて、また見てみたけど
まだ止まったままだった。
また乗っ取り似合ったのかな、と思った。
心配することはない。
きっとまた郵便で手紙が届くに違いない。
またお返事書かないといけないな、
可愛い便箋切らしているから買ってきて用意しておかないと、とお店で彼女のことを思いながら便箋を選んだ。
夏休みが終わって秋になっても連絡はなかった。
どこかであたらしいアカウント作ってるかな、と検索したけど無駄だった。
何度もインスタとブログを見に行った。
最近始めた、と教えてくれたnoteも。
何度みても更新されていなかった。
メッセージを送っても既読もついていない。
なにかあったかな。
ちょっとだけ嫌な事がよぎったけど
きっと去年と同じで心配することはないと
まだ思っていた。
乗っ取りで
手続きが難航しているのかも。
忙しくて手紙を書く暇がないのかも。
お正月になったら年賀状がくるはずだ。
※ ※ ※
11月の終わりになって
家のポストを開けたら
ハガキが1枚、届いていた。
差出人は彼女のご家族だった。
○○が○月○日に○歳にて永眠いたしました。
喪中のハガキだった。
彼女はわたしと年も近い。
亡くなるなんて信じられない。
何があったのか、知りたいと思ったし
本来ならご家族に連絡すべきだと思った。
だけど。
ハガキの文面を何度も繰り返し読んで
そっと棚の中にしまった。
自分の気持ちも一緒にしまう。
もうこの先ずっとブログも更新されないし
連絡が来ることがないのも信じられない。
気持ちの区切りもつかない。
だけど彼女の人生は幸せであったと願っています。
長い間、仲良くしてくれてありがとう。
ご冥福お祈りいたします。
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