上方漫才関連の参考文献、その2です。だいたい1980年代以降のものを挙げてみます。あくまでもざっとなので、抜けているものも多いです。
ざっくりこんなものでしょうか。おすすめは、『松本人志ショー』、『上方放送お笑い史』、『米朝・上岡が語る昭和上方漫才』、『天才伝説横山やすし』の4冊を挙げておきます。
『松本人志ショー』は、松本人志に関する唯一の本格的な論考です。私自身は、この作品のアップデートができればと考えています。『上方放送お笑い史』と『米朝・上岡が語る昭和上方漫才』は、上方漫才の歴史を知る上で役に立ちます。従来の書籍よりも、上方漫才に対して批判的な視線が含まれているように思います。『天才伝説横山やすし』は、あの漫才師の影の部分を見ているようで、なんとも言えない読後感があります。
また、強調しておきたいのは、マンザイブームが起こった1980年あたりで、上方漫才の歴史において、ひとつの曲がり角を迎えていたということ。もちろん、それは誰しもおおよそ知っているでしょう。
ただ、書籍の刊行状況なども、これと軌を一にして、1980年あたりを境で様変わりしているような印象を受けます。では、このときに、何が終わり、何が始まったのか。これはやはり日本の社会全般、あるいはサブカルチャーの状況ともリンクする問題で、実は広がりのあるテーマであると考えています。
では、また次回。(梅)