私流のクラウドソーシングの始め方
あくまで、私のケースだとことわりを入れておきたい。
一定の需要はあるのではないかと思い、この記事を書くことにした。
というのも私自身クラウドソーシングが商業ライターとしてのデビューに繋がった人間なのだ。
その他、クラウドソーシングでの仕事が活きて、今の仕事に繋がっている。
私の簡単な経歴をまとめる。
・2019年、シナリオ技法の技術を学ぶ(ソシャゲシナリオ)
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半年ほどクラウドソーシングでwebライターや動画シナリオを書いていた。
・2020年4月 同じくクラウドソーシングでたまたま、外注ライターを探していた企業様のテストライティングに合格する。
商業タイトルに関わることに。
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以降、2023年まではクラウドソーシングと既存の企業様の案件を平行で仕事をいただいていた。
全てが、企業案件で、ほとんどが商業IPである。
・2024年現在は、シナリオ制作会社の外注シナリオライターとしてのみ活動。携わる作品は商業IPのみ。
何せ、私がクラウドソーシングにした頃は、5年前だ。
今と状況が違うが、運良くキャリアアップし、一応は、未経験ライターからでもそれなりの収入を稼ぐことは可能だ。
私の要点としては、こうなる。
まず、技術と経験が足りないのなら仕事は丁寧に。
一度、良い案件に繋がったら仕事は選びなさい。
この「仕事は選ぶ」理由については後述する。
これは、他の畑のプロも言っていたが、クラウドソーシングはマッチングの場所である。
最初に受ける案件はあくまで継続の有無を決めるテストライティングだと思えばよろしい。
というのも、クラウドソーシングは手数料が発生する。
クラウドサービス内で継続案件に繋がってもライター側は提示された金額以下の報酬しか受けられない。
継続が決まったり、自分でも継続の意思がある場合は外注として契約していただいた方が双方にメリットがある。
だから、クラウドソーシングは企業とフリーランスのライターがマッチングする場だということを念頭にいれると良い。
とはいえ、軌道にのるまでが、仕事をとるのは大変なのだ。
私も最初は1本1000円のwebライターの仕事をやったり、1本6000円の巣かッと動画のシナリオを6本書いたがやる気のなさからクビになってしまった。
そこから、仕事を受けてみるも、まあこれがつながらない。
半年ほど経ってしまった。
そして2019年の3月。
大きいタイトルを持つ企業が密かに外注ライターを探していた。
ぼかした募集要項だったが、商業案件だと分かる文面をしていた。
実は、こういう募集要項は狙い目の案件である。
プロダクトの内容をぼかしてあるが、企業案件と匂わせた募集要項は、私の場合、全てが有名タイトルに当たった。
逆に注意すべきは、堂々とプロダクトの内容や企業名を書いた企業案件やクラウドソーシングの募集に不必要なこまごまとした個人情報や志望動機を求めるところだ。
この手の企業案件に通ったり、オンラインミーティングまでしたが、企業案件でも実にはつながらなかったのが実感だ。
あと、そういう企業は最初は人こそ集まり、場数の踏んだライターたちがこぞって応募するが、辞退していくのでずっと情報を掲載することが多い。
ずっと、情報を掲載している一見、おいしそうな企業案件は個人的には注意してほしい。
さて、私はその企業様にソシャゲシナリオのサンプルとコミッションで依頼された小説をポートフォリオとして送った。
企業様の採用ご担当者様が私の小説を呼んで「こういう世界観のゲームを書けるライターを探しているのですが書けますか」と折り返してくださった。
当時、私は商業経験のないアマチュアだった。
私は勢い良く、返事をし、運よくテストライティングに進ませていただいた。
ちなみに募集人数は40人、合格者の枠は3人だった。
たまたま、企業様がテストライティングに出したシナリオのテーマは、私の知識にあるものだったので運よく私はテストライティングに合格した。
そして、2020年4月から本格的に商業シナリオライターとして活動をし始めた。
当たり前だが、クラウドソーシングには受注した仕事の履歴が残る。
私は、コンスタントに企業様からゲームシナリオのお仕事を受けつつも、圧倒的に場数が足りないので、クラウドソーシングに頼っていたが、お仕事は慎重に選んでいた。
一見、筆が早い方、多く仕事をやっている方が有利に思える。
だが、そうとも限らない。
繰り返しになるが、クラウドソーシングには受注した仕事の履歴が残る。
もちろん、それはクライアント様も必ず、目を通す。
つまり、仕事の受注履歴でおおよそのライターとして何を専攻にしているのか、ライターとしての価値が分かる。
私は値段はまちまちだが、最初の頃は商業タイトルのゲーム案件を中心に受けていた。
トータルだと4本か。全て企業案件で商業IPだ。
実績になる案件なら相場の半分以下の1文字1円の案件を受けていたこともある。
ある程度の土台ができたら、次は高単価のものや人気がでそうな企業案件に応募した。
すると、次第に私の仕事の実績や履歴だけで、よほど、場数の多いシナリオライターがいないかぎりは全て仕事をとれた。
つまり、私は仕事の受注履歴でシナリオライターとして希少性があることをアピールしていた。
こうすると比較的クラウドソーシングでも、良い条件の仕事をとることができるのだ。
とにかく実績が欲しかったので、実績がないうちは1文字1円~10円の案件まで幅広く受けていた。
また、多くの企業様がそうなのだが、クラウドソーシングはマッチングやテストライティングに使い、以降は直属の外注ライターとして雇用してもらっている。
現在は、クラウドソーシングではお金にならないので制作会社にて外注ライターとして所属し、原稿料で生計をたてている。
(別の機会に書くが)もっと、効率の良いお仕事の取り方もあるのだが、それにも実績はいる。
手早く、未経験が下地の実績をとるにはやはり、最初はクラウドソーシングが効率が良いのだと思う。
私の経験で恐縮なのだが、クラウドソーシングで仕事をとる、実績をつくるには
・最初は、お金にならなくても初心者向けの案件をつくる。
・クラウドソーシングはマッチングの場であることと認識する。
・実績がない場合、応募要項にはなぜ、応募したのかという理由をきちんと書く。自分を採用することのメリットを提示する。未経験でも活かせるスキルがあることを提示する。
・失礼のないビジネス敬語を最低限使える。
・テストライティングでは、普段の仕事のやり方を模擬的に見せる場である。(特にプロットは丁寧に書く)
・クラウドソーシング外で継続案件や仕事がある場合、クラウドソーシングの仕事は選ぶ。
・実績になるのなら最初のうちは1文字1円の案件でもやる。
そして、重要なのが、未経験でも媒体にあわせたシナリオのレギュレーション(書き方)を勉強しておくことだ。
あいにくと5年前と現在では、状況が違うとは思う。
特に比較的おいしい仕事は、場数を踏んだプロがとっていくことが多くなってしまったし、それが未経験ライターの活動の幅を狭めているのも事実。
備忘録的に私の経験を書いたが、これから文章を仕事にしたい方がお目通しいただけたらそれだけで嬉しい。
一緒に、ライターとして切磋琢磨していこうではないか。