好きなものを書くって難しい。

……と最近、考えている。

これにことわりをいれておけば、英語だの数学だのデッサンだの色彩だのみたいにハナから分かりませんって分野だったら匙を投げていると思う。

文章を書くことに対してはある程度の成功体験を踏んできたから往生際が悪いのだろう。

次のスケジュールまでだいぶ空いているし、月初に納品、次に発注があるとしてもいつもお世話になっている制作会社様の案件を若干請け負い、月末からまた月初にかけてシナリオを書く予定でいるのでとにかく暇なのである。

仕事の方面でも今の案件にアサインされてお仕事をしているうちはスキル面において課題まみれなので、シナリオの技術本を読むべき……だとは分かっている。
が、私が知りたいのは基礎から発展させた細々としたシナリオのディティールを補完する部分であったりする。
秋から冬にかけておざなりにしていた映画のインプットの再開を始めた。
今月は、時間に余裕があるだろうから書いて→インプットしてを繰り返していこうかなと考えている。
しばらく、映画という娯楽から離れているうちにSNSでリストアップしている観たい映画の数が膨大になってしまった。
観ていないDVDも山ほどある。

打てば反応なり成果が見えるからこそ、文章を書くことにしがみついていられるのだろう。

ただ、自分で「考えて書く」という工程がとても苦手なのである。
私がコンスタントに文章を書いたはじめは中学生の頃の個人サイト時代と文芸部、演劇部で小説と脚本を書いていたときである。
今、書いてよくそんなキャパがあった……と我ながら驚く。
私の中学の文芸部の先生は熱心だった。
当時、小説を毎月持ってくる熱心な部員は私しかおらず、喜んでくださったし、今思えば学生の部活なのに国語の先生自ら校閲をいれてくださって、大体、毎回二稿は出す。
まあ、たぶん文法の授業でやったような内容なのだろうとは思うけども、部活で文章作法の基本を学び、演劇部では脚本を書ける人間がいないので私が書いた。
中二病的な作品であっただろうと思うけど、コンクールに持っていったら他行の教師の方が脚本の出来を褒めてくださったとか、部活勧誘のときに短い脚本を書いたらオタク的な文化は排他される学校なのにみんな静かに見てくれるレベルの脚本は書けていた。
初めて、人生で成功体験らしきものを得た私は、個人でも小説サイトを立ち上げて覆面作家としてしばらく書いていた。
当時はランキングやサーチという個人サイトをまとめるリンク集があり、私がよくサイトを閲覧するために登録していたランキングは絵と小説の混合で400サイトほど登録されていたが、常に10位圏内にはいたし、学生なのでとかく時間があった。
それが私の文字書きとしてのスタートだ。

1から10までしか書けないのがいけないが、こどもの頃は誰かに見られる前提ではあったけどのびのびと書いていたように感じる。
好きなものを書いて、好きなものを良いと言ってもらえるのが嬉しかった。
当時は、自己推薦入学の精度があったゆとり世代なので、受験そっちのけで本を読み、文章ばかり書いているこどもだった。

高校のときも絵なんて描かずに、図書室や見晴らしの良い屋外で図書室や図書館から借りている本を読んでいる人間だったのだけれども。

今もお仕事は楽しいし、その前に同人で多少書ける文字書きだった経験も大切だと思う……文章を書いていた期間において、無駄だったことなんて何ひとつない。

でも、こどものときほど純粋に自分の好きを屈託なく発信するのが怖くなってしまった。
年末から本当に趣味として小説を投稿しはじめて2週間が経った。
本当に少しずつなんだけど、恐らく作品を読んでくださる方が増えてきた。
イマジナリーフレンドではないけど、それこそ、中学生の頃からずっと頭の中で思い描いていて、大人になっても想像は膨らんで膨大な世界に広がってしまったものを少しずつアウトプットしている。

販促の文章なので、課している条件は少ない。

一番は書いていて自分が楽しいかどうか。

たぶん、規模でいえば中学生の頃、文芸部の部誌で書いていたものと変わらない。
その時期に1度だけ書いた物語をこねくり回したものを今書いている。
楽しいんだけど、純粋に好きなものを楽しく書くって難しい。

近年の創作ってプライベートでも何かしら求められることがあった。
だから、それを度外視して書くとこれでいいのかな?って迷いが生じる。
それでも、1日か2日寝かしたり、間にお仕事が入ったりするとあれの続き書きたいなーと思って、いろいろ考えを巡らせている。

仕事とかで世に作品を公表していて変なのに、あの作品は批評とかはいらない。
ただ、自分が楽しく書いていたいのでなろう系の小説に特化したサイトではなく、オタクにやさしいpixivでちまちまと手すきの間にあげている。

この前も同じことを書いた気がするけど、もちろん、商業ベースで作品を書く方もいるのだろう。
でも、自分の好きなものを目が肥えているからこそ、読者の批評が厳しい小説サイトにコンスタントに投稿していたり、そこから書籍化を狙う方ってすごいな……。
到底、自分の文章がその境地にはいけないだろうと感じてしまっているので思う。

恐らく、仕事で漫画原作を書いていたときの苦手意識なのだと思うが、個人で立ち上げた企画書を連載ベースに持っていく(商業媒体として昇華する作業)と企画書段階ではわりと独創的なアイデアで書いていたものが、原案で作者の私がつまらないと感じるような駄作になるのが苦痛だった。
それも連載をやめたひとつの理由だ。

だから、好きなものを納得ができるように書くって実はすごく難しい。

最初は、シナリオや二次創作媒体とちがって読者がつきにくいという落差に落ち込まなかったといったらうそになるけど、最近はシリーズ単位で読んでくださっている方や怖々と設置したアンケートに答えてくださる方がいて、自分の書いた好きなものを同じように感じてくださる方がいるっていう事実がとても嬉しかった。

同人のアカウントは、アマチュアとして書いていたが趣味なのにプロ以上のことを求められる重圧が嫌で嫌で仕方がなかった。
(創作は楽しかったけど、対人場面の振る舞いとか交流とかとかく求められるものが多かったので)
だから、中学生以来に、私がのびのびと書ける場所として認識している。

そんなわけで、ここ1か月はモラトリウムを満喫しているのだけど、仕事をしていないおかげで弊害がある。
MACの紫のリップバームがとてもかわいいが買えない。
youtubeのショートでみて、かわいいと思ったのだけど実店舗でみたら淡い色にきらきらのラメで、珍しくコスメにひとめぼれした。
リップ系のコスメが好きなのでもう買わんとこと思っているが、あれ、化粧直しとかに便利そうだ。
何より紫なのがいい。
あれって定番商品なのだろうか……と悶々としている。
リップバーム系にそうお金はかけないのだけど、あまりにもかわいすぎた。
しばらくは慎ましやかに生きる予定なのですっごく悩んでいる。
お金の使い方も難しいよね。


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