色んな人の世界の見方が分かるエッセイは面白い
ノンフィクションライターに憧れたときがあった。ただ「事実を伝える」ために書く記者よりも、自らの使命を持って「事実を描く」ということにすごく惹かれた。何より、誰かの人生を追い続けて、それを言葉で描いていくなんて、なんて魅力的な仕事だろう、と。ノンフィクションライターである長田渚左さんの書いた、「北島康介プロジェクト」を読めば、誰もが少しは憧れるのでは...?とまで思った。
同じような理由で、エッセイがとても好きである。誰かの人生、その人生から生み出された思いや価値観を知るのがとても面白い。筆者自身の経験や価値観を綴ったものの中で、20代前半で衝撃を受けたのは、岡本太郎さんの「自分の中に毒をもて」。自分の価値観のちっぽけさにガツンと言われたようで、そのエネルギーに心を打たれて涙がでた。
村上春樹さんのエッセイも欠かせない。「走ることについて語るときに僕の語ること」「職業としての小説家」、情景をみずみずしく映し出す流れるような文章が、小説よりも圧倒的にエッセイのファンである。
20代半ばで仕事や恋愛に四苦八苦していた頃には、西加奈子さんや、星野源さんの、声を出して笑ってしまうほど面白いエッセイに救われた。人を元気にする文章を書けるってすばらしい。他にもオードリー若林の「社会人大学人見知り学部 卒業見込」、山ちゃんの「天才はあきらめた」、はあちゅうさんや紫原明子さんなどの女性の生き方考え方…人間やってるなぁ、という感じのエッセイにはまった。羞恥心や情けなさや喜びや悲しみや、いろんな感情をゴタゴタさせながら生きている人という生き物がただ面白い。
カナダに行く前に愛読していたのは、川内有緒さんの本。「空をゆく巨人」、「バウルの歌を探しに」などのノンフィクション作品は素晴らしくて、感銘を受けたけれど、実はいちばん好きなのは「パリで飯を食う」という、パリで生きる10人を描いたエッセイである。
有名人でもなんでもない普通の、だけどちょっと変わった人生を歩んでいる人たち。世界中には、私がまだまだ出会ったことのない、いろんな生き方をしている人がいるんだな、と生きるエネルギーが湧いてくる。
昨日、佐久間裕美子さんの『ピンヒールははかない』を読んだ。NYで20年生活している彼女の日常と、ライターとしての社会の考察とが入り混じる。自分の知らない世界で、私には想像もできないような感情を味わいながら生きている人がどれだけいることか。
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下着を作りたい、という背景には、がんばって生きている女性を肯定したい、という思いが根本にある。
その"女性"とは一体誰なのか、どんなふうに生きている人に、どんな気持ちでその下着を身に着けてほしいのか。その下着を着ることでその女性たちの生活にはどんな変化があるのか。
下着というすごく親密なものだからこそ、この人に着てもらうために作った、ぐらいのリアリティが欲しいなと思う。
「男性にどう見られるか」ではなく、朝その下着を身に着けて鏡の前にたったとき、かっこよくてセクシーな自分を見てもらいたい。こういう自分がいちばん好き、と思ってもらいたい。男性にとっての理想ではなく、女性にとっての理想でありたいなぁと思っている。
ありがとうございます。下着作りに活用させていただきます🎀✨