[福井県鯖江市との連携WG] 鯖江市へのフィールドワークで西原商店を訪問しました。
津田塾大学 学生団体 梅五輪プロジェクト 福井県鯖江市との連携ワーキンググループ(鯖江WG)です。
今回も引き続き、鯖江市へのフィールドワークの訪問先で学んだことを紹介します。
このフィールドワークの一環として、越前市に位置する和紙屋・杉原商店さんを訪れました。
150年の歴史を持つ老舗和紙問屋に足を踏み入れ最初に目に入ったのは、長さ10メートルを超える大型和紙でした。縦のスリットが入ったそのタペストリーは、職人さんが全て手作業で制作したものだそうです。
今回、和紙ソムリエである杉原吉直さんに直接お話を聞くことができました。和紙の特徴として、枯れることがないために長く保存ができることや、光との相性が良いため演出の幅を広くでき、近代的な感覚をも表現できることを学びました。また、実際に和紙をちぎらせていただき、結合力の強さを体感することができました。さらに、明治政府が発行した最初の紙幣「太政官札」がこの越前和紙であったことや、織田信長が上質な越前和紙を使っていたからこそ、手紙が本物かを判別できたと言う昔話を聞くことができました。 しかしながら、杉原商店さんは伝統を継承しているだけでなく、現代の消費者のニーズに合わせて、名刺、はがき、便箋といった小物から、卒強証書や建築資材までも手掛けているそうです。令和二年には、国土交通省の不燃認定を取得したことで、公共施設にも和紙を活用できる仕組みを整え、近頃は、お酒のラベルとして活用し、本願寺でも使用しているそうです。さらに、書道家の方が和紙の制作途中に手で文字を書くことで、完成した和紙に文字が入っている状態にすることも行われているようです。 お話を聞いた蔵には、実際に様々な越前和紙を使用したアイテムが並んでいた。その中には、十二干支のちぎり和紙もありました。
杉原商店さんの、伝統的な和紙製造の世界にとどまることなく、現代に適応した新たな和紙を製造し、楽しみ方や使い方を提案し続ける姿勢には、頭が上がりません。
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