〔006〕ユートピア⑤感想

頭のよく、強く宗教を信じたトマスモアの
最後を読んだ時、
心が燃えた。

どうしようもない死の恐怖と
いつでも死ぬことがあることを
思い出した。

駅での待ち時間に読み終えたが、
思わずホームに飛び込んで死ぬことを
連想して鳥肌がたち30分ほど震えて戦った。


内容については、
前半部では理想郷とされるユートピアは
まさに理想的であり、
政治の制度や、国民の価値観は今でも
最先端を行っていると感じた。

特に他人が作り出したものさしではかった
価値観(ブランドものや宝石)に
惑わされることなく、
自分のものさしではかった価値観とも
言い切れないが、自然な価値観の物差し
つまり物の生存するための本当の価値
で物を判断するところは今でも最高の考え方
であると感じた。

1500年ごろの本であるのに
現代でもなお理想的な部分があるということは
時代はトマスモアの理想とする方向に対しては
500数年の間あまり進んでないといえる。

人の考え方や価値観が変わるのには
とてつもない時間がかかることを知った。

後半にかけては奴隷や離婚制度で
うん?これはちょっと理想じゃないなぁ
と思うところが増えていった。

お金のモノサシの一軸でしか物事を判断
できない部族をとことん馬鹿にし
利用するのは少し気分が悪かった。

旅についても一人旅はしたいし。

完全に意見は一致しなかった。

半分くらいまではああ、知ってるな
読む価値あるのかな?当たり前当たり前と
流して読んだ。

特に読むのは苦痛ではなく、
淡々と読めた。

面白い箇所は続きが気になりページをめくる手が
うずうずした。

新しい知識がついたかと言えば
ついた感じはしない。

宗教を信じ自分の正義を言っただけで、
貫いただけで、
欲に溺れた王様によって
良いとは思えない法律のもとさばかれ
死に至ったモアのことを思うと
今の世の中はましだ。

もっとできることがあるはずだと
熱くなった。

適量なだけ過分なしでシェアすることで
人類全体に不足がなくなる考えは
このころからあり、
今も進化して続いていっている。

途中屢々他の書籍が紹介されたが、
読んだことがなかったため
親近感がわかなかった。

これは他にもたくさんの名著を読んでいき
もう一度読み直すことで
登場書籍や登場人物に関連性ができ
親近感がわきより一層楽しめると感じた。

こうしてみると、古い書物は
関連しまくっているので
世界観にどっぷり浸かると
また違ったより深い世界が展開され
たまらなく面白いのであろうと感じた。

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