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インダストリー・ワンがイブニオン株式会社設立のデザインコンサル支援を行いました

みなさんこんにちは。株式会社インダストリー・ワンでデザイン事業部長を務めております梅澤と申します。インダストリー・ワンは三菱商事100%子会社のDXコンサル会社です。私は、昨年3月にこの会社へジョインし、DXの社会実装を目標にデザイン組織を立ち上げ、デザイン・コンサル・エンジニアリングを掛け合わせた事業モデルの構築に挑戦しています。

株式会社インダストリー・ワン
インダストリー・ワン-あらゆる企業、産業のDX推進- (industry-one.com)

これまでは、新規事業創生や教育のためのデザイン思考ワークショップを中心に事例をご紹介してきましたが、今回は新会社設立におけるブランディング支援事例をご案内したいと思います。

弊社では様々なジョイントベンチャー(JV)が設立されるタイミングで、ブランディングのご相談をいただくことが多いです。ブランディングといってもグラフィカルなロゴやカラーをデザインするだけではなく、その会社を設立するステークホルダーの気持ちを1つにまとめ、同じ目標に向かうためのスタートラインを具現化する側面が大きいです。

今回の事例でご紹介するのは、三菱商事、三菱ふそうトラック・バス、三菱自動車工業の3社によるJV、「イブニオン株式会社」の設立に伴うブランディング支援です。
イブニオン株式会社は、その設立に伴い、様々なメディアで取り上げられています。

FNNプライムオンライン
三菱系新会社「イブニオン」がEV関連の新サービス 10月開始予定 (youtube.com)

日本経済新聞
三菱商事や三菱自動車など、EVの充電設備工事費を比較  - 日本経済新聞 (nikkei.com)

TBS NEWS DIG
「三菱商事」「三菱ふそう」「三菱自動車」がEV関連サービスのサイト立ち上げ 充電器など比較検討可能に | TBS NEWS DIG

様々なメディアで取り上げられるイブニオン株式会社
プロジェクトメンバーとの打ち合わせの様子

お客様のイメージを言語化し、仮説を問いかける

このご相談をいただいたのは私がインダストリー・ワンに入社した2023年3月の入社当月のことでした。私は前職、前々職が車系の会社であったこともあり、親和性のある案件でワクワクしたことを今でも鮮明に記憶しています。

当日は新会社のイメージは未だ曖昧なもので、3社それぞれの方々を集めても、それぞれ別々の方向性を見ておられる印象でした。これらの思いを1つにまとめるために、デザインの力を活用することに可能性を感じながらプロジェクトがスタートしました。

キックオフでは新会社設立にあたっての先方の思いや理念、どんなサービスを構想しているかなど、広くざっくばらんにヒアリングをしていきました。この時に重要なのは、ただ相手の言葉を聴くだけではなく、「それってこういうことですか?」「例えばこんなのはどうですか?」というように、自分が感じた仮説をできるだけ多く問いかけることだと考えています。
このやりとりにより、相手もより多くの思いを言葉に発することができます。こちらの質問に対して答えることで相手も気づきを得ることができ、発見の多いディスカッションをすることができます。

お客様のイメージを言語化し、ネーミング案やロゴ案についてざっくばらんにディスカッションした様子

「これは違う」に気づいてもらう

ある程度ヒアリングができると、デザイナーは会社のネーミングやロゴデザインといった、ビジュアルに落とすことができます。私たちデザイン事業部は、間違っても良いので、できるだけ完成形に近いアウトプットを最初から出すことを心掛けています。それにより、「これは違う」ということに気づくことができ、意思決定の近道になると考えています。また、完成形ではなくラフな姿でアウトプットすると、あまり多くの気づきが得られません。できるだけ、色、形、コンセプトは完成形に近い状態でアイデアとして見せ、ディスカッションできるようにしています。

ビジュアライズしたロゴやカラーパレットに対し、お客様がコメントや投票をしている様子

お客様の意識の中心を探し当てる

このようなアイデアのディスカッションを何回も繰り返し、お客様の新会社に対するイメージが徐々に固まってきます。最初は個々の「好み」でアイデアを選んでいたのに、徐々にみんな同じものが好きになっていきます。私はデザイナーとして、そんなお客様の意識の中心を探し当てる行為が面白いと感じています。
プロジェクトの後半になると、アイデアは2,3個に絞られてきます。その時の「投票」がまた興味深いものがあります。お客様は自分の好きなアイデアに投票をするのですが、投票は2回行います。1回目の投票をし終わった後、各自に理由を説明してもらいます。この説明が、お客様それぞれの「意志」を引き出し、各自の新会社に対する思いが具現化されていきます。また、これまで行ってきたアイデア会の成果もここで明るみになります。このフェーズになると、デザイナーの私たちでもビックリするほどの感性がお客様に根付いています。
なぜその形が良いのか。その色は会社のサービスの何を示しているのか。お客様からネーミングやロゴに対するストーリーが生まれてきます。

お客様と共創したブランディングのコンセプト・ストーリー

展示ブースやビジョン動画、ノベルティへの広がり

最終的には全員一致でネーミングとロゴが決まりました。シンプルかつユニークであり、ストーリー性のあるデザインに決まったと感じています。何よりも、プロジェクトメンバー全員が同じ思いを持ち、同じストーリーを語れる状態になっていることが、今回ご支援させていただき、最も達成感のある部分になりました。

今回のご支援をきっかけとして、モビリティ系の展示会に向けたパネル、ビジョン動画、ノベルティなどのデザインのご支援もさせていただきました。展示会では大変多くのお客様にご来場いただき、イブニオン様をアピールすることができました。ビジネス向けにもそうですし、ご家族で来場されている方々にも展示物に触れていただき、非常に有意義な出展になったと感じています。

イブニオンのプロジェクトメンバーの皆様との記念撮影
イブニオンの展示ブースデザイン
イブニオンのカーラッピングデザイン
イブニオンのロゴブロックで遊ぶお子様

これからもイブニオン様とは、サービス構想などで引き続き連携させていただく予定です。デザイナーとしてこのような会社設立の機会に関わることができ、非常に良い経験をさせていただきました。また、今まで私が経験してきたモノづくり、コトづくりを超えて、ヒトの気持ちや意志を作ることに関われたことで、デザイナーとしての新しい可能性を感じることができました。

これからの時代、参画するメンバー1人1人が意志を持ち、「自分らしく」働ける、生きていけることが重要だと考えています。そんな個人的に考えているデザインの可能性を実践できる大変貴重な機会をいただけました。この場を借りて、イブニオン株式会社・窪田社長はじめ、プロジェクトメンバーの皆様へ御礼申し上げたいと思います。


「インダストリー・ワンって、どんな会社?」と気になった方へ

インダストリー・ワンは2021年6月に設立された会社です。産業全体におけるDXの加速化、DXによる企業・産業の変革に貢献することをめざしています。

インダストリー・ワンでは、さまざまなポジションの人材を募集しています。カジュアル面談も行なっていますので、「まずは話を聞いてみたい」という方も、ぜひお申込みください!

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