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バレンタインとアイスの好み問題

バレンタインの日、帰ると鍋だった。
「色がチョコみたいでしょ?」と妻が言うので、「これが今年のバレンタインなんだ」と思った。

バレンタインに何が貰えるかは、妻のそのときの気分で決まる。高そうなチョコの時もあればスーパーのお菓子売り場で売ってるチョコのときもある。
去年は、息子がアンパンマンのペロペロチョコの色んなキャラが入ったやつを食べたいというので、それを家族みんなで食べたのがバレンタインだった。

ご飯が終わるころ「まるごとバナナ買ってきたけど食べる?」と聞かれ、チョコなしが確定した。


と思ったら、妻から紙袋を渡された。今日休みだったからわざわざ買いに行ってくれたそうだ。
中身は2つ。キャラメルペーストの中にクルミが入っていてパイ生地で挟んであるなんかお洒落なのとサイダー味のチョコレート。

どちらも妻がお客さんから貰って食べてみたら美味しかったものらしい。チョコを買いに行ったら、たまたま見つけてそれにしたのだそうだ。

自分が食べて美味しいと思ったものを、相手にも食べてもらいたいと思うこと。

これはもう愛と言って差し支えないであろう。愛がなんなのか、いまだによくわからないが。


日曜日の夕飯のあと、妻が「ラップを使い切っちゃった」と困っていたので、「今から買ってくるよ」と伝えると喜んでくれた。

ただ、これは愛ゆえの行動ではない。単純に僕が行きたかっただけなのだ。普段、買い物は妻が1人で行く。子供たちを連れて行くとお菓子とか余計なものを買う羽目になるから。そうなると必然的に僕が子供たちとお留守番になるので、しばらくスーパーに行けてなかった。
息子も、らくがき帳を使い切ってしまったところだったので、息子を誘って2人でスーパーに行った。

らくがき帳とラップをカゴに入れ、これで目的は達成したわけだが、そのままレジに向かったりなんかしない。久しぶりのスーパーなのだ。楽しまなきゃ。
息子はお菓子をカゴにいれ、そのあとドーナツをいくつか買った。
僕はアイスを買った。自分用に「スーパーカップ とことんショコラ」、紅茶が好きな妻には「スーパーカップ はなやか紅茶」を選んだ。息子は箱アイスを買っていた。
お会計を済ませると、らくがき帳とラップを買いにきたのに3000円を超えていた。

家に帰ると息子が妻に「ドーナツ買ってきたー。」と言い、僕は「アイス買ってきたよ」と言った。
(さっきご飯食べたばっかだから、ここはアイスだな)と思ったら、妻が「わー、嬉しい。ちょうど甘いものが食べたかったの」と言って、ドーナツを手に取ったので、その日はアイスを食べなかった。

翌日。仕事をしながら妻にどっちのアイスがどっちのか伝えるのを忘れていたことを思い出した。

帰って、ご飯を食べて冷凍庫を空けると「はなやか紅茶」しか残ってなかった。
妻に聞いてみると「紅茶が私のだと思ったから、うめたろうさんが帰ってくる前に急いでショコラを食べた」とのことだった。

なるほど。紅茶よりもチョコが好き、と。次回はショコラ2個だな。

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