多羽(オオバ)くんへの手紙 ─4─
貴代先生が教室にいることはほぼ無かったが、昼休みにはウチのクラスに戻ってきていた。
仲良し数人で集まってお昼を食べるグループがいくつもあり、貴代先生は日替わりでそれらのグループを巡っていた。
今日は私たちのグループへとやって来た。
お鈴と私、他2人の4人グループの番だ。
「上村さんやんな?ウチの近所の」
貴代先生が複数の地雷を踏みながらにこやかにお鈴に話し掛けた。
私は気が気ではなかったが、本人から聞いてもいないことを説明することもできず黙っていた。
「引っ越してん。今は小