梅鶏の捌き方 その7〜NASAからは一番遠いこの村が星に一番近いと思う〜
梅鶏です。
自分の歌がどのような思考でできたものなのか自分で説明していくという「梅鶏の捌き方」。
第7回目は、
NASAからは一番遠いこの村が星に一番近いと思う
を捌いていこうと思います。
この歌は2021年6月にうたの日のお題『NASA』で首席になった歌で、その年の「今年の短歌」に選んでいただいたり、その後いろんなところに出したりしているのでこの歌で私を知った方もいらっしゃるかもしれません。
私は歌を作るのが難しそうなお題につい反応をしてしまうのですが、この日はこのお題に惹かれてしまいました。
NASAから何を思い浮かべるかを考えたとき、はじめに浮かんだのは「宇宙メダカ」でした。宇宙で産まれたメダカの子孫の歌を詠もうとしたのですが上手くいかず、そこから派生して「宇宙ひまわりは太陽ではなく故郷の地球を向いてしまうので地上で植えても下を向いている」みたいな歌を作ろうとしていました。
そんな時にふっと降りてきたのは、
NASA
↓
最先端の技術が詰まっている
↓
その反対は何もない田舎
↓
田舎は星が綺麗
↓
NASAで見るより星が近くに見えそう
という流れでした。
短歌を詠むとき、特にうたの日で票を取りやすいのは「対比」であるような気がしていたので、この流れは非常にいい歌になりそうな形でした。
あとは読み下ろす形で一気に出来上がりました。
「一番」という大袈裟なリフレインを使ったのは狙いですが、スルッと出てきた感じです。
これで一首が完成しました。
突然思いついた発想で本当に降りてきたような感じはしています。いまだと思いつかなかったかもと考えてしまいます。