日仏比較 学校で習う詩について
フランスの小学校の宿題で、詩の朗読(暗記)があります。1か月半で一つくらいの割合で暗記し、クラスで発表するようです。評価の項目は一字一句間違えてないか、声の大きさスピード、ジェスチャーがあるか。
ところで、皆さん、学校で最初に習った詩を覚えてますか?小学校でもやったのかもしれないけど、私が覚えているのは中1の教科書にあった、谷川俊太郎さんの、
朝のリレーのような気がします。
いい詩だなーと思いました。今でもいい詩だなーと思います。
朝もやの中でバスを待つメキシコの少女に想いを馳せた記憶があります。
フランスの小学校に転校してから娘が一番最初に覚えた詩はこちら
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Cher frère blanc,
Quand je suis né, j’étais noir,
Quand j’ai grandi, j’étais noir,
Quand je suis au soleil, je suis noir,
Quand je suis malade, je suis noir,
Quand je mourrai, je serai noir.
Tandis que toi, homme blanc,
Quand tu es né, tu étais rose,
Quand tu as grandi, tu étais blanc,
Quand tu vas au soleil, tu es rouge,
Quand tu as froid, tu es bleu,
Quand tu as peur, tu es vert,
Quand tu es malade, tu es jaune,
Quand tu mourras, tu seras gris.
Alors, de nous deux,
Qui est l’homme de couleur ?
親愛なる白人の兄弟へ
生まれた時、僕は黒かった
大人になった時、僕は黒い
太陽の下で、僕は黒い
病気の時、僕は黒い
死ぬ時、僕は黒いだろう
一方で白人の君は
生まれた時、君はピンクだった
大人になった時、君は白い
太陽の下で、君は赤い
寒い時、君は青い
怖い時、君は緑だ
病気の時、君は黄色
死ぬ時、君は灰色だろう
さて、僕たちのどちらが、
Colored people (有色人種)だって?
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わーお、、、
ベタ過ぎる感想失礼します。
うーん。深い。。。。
谷川俊太郎で地球上の様々な場所で生活する人たちに想いを馳せましたが、この詩では地球上に存在する見えない空気の断層のようなものを感じます。
でも、美しい詩だな、とも思います。
こんな詩を8歳で習う国。フランス。子どもたちは何を感じるのか。娘のクラスはなかなか人種のミックスはありますが黒人は男の子が1人だけ。彼はどんな気持ちでこの詩をみんなの前で発表したのか。
結論をつけれるほど私はこの件を掘り下げれていませんが、ん?と思う、少し居心地の悪さを感じる、なぜ居心地が悪いのか考える、自分の視点では気がついていないことに気づく、そう言うきっかけ作りの連続を教育を通じて提供することが、こんな幼い頃から始まっているのだな、と解釈したのでした。
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