ショートショート#2 暗闇の中から
「ああ寒い、一体いつになったらここから出られるのだろう」
ここは真っ暗で、日に数回光が訪れる。
僕はそのたびに「今日こそ生まれ変われる」と胸を躍らせてきたのに、いつも失望する。
そして新しい仲間が入ってくるたびに僕はどんどん奥に押しやられる。すっかり姿を変えて、もう役にたたなくなり捨てられて行った仲間もいた。
「こんなはずじゃなかった。僕は多くの中から手に取って吟味され選ばれた」そう思っていた。
僕が育った田舎は一年を通して天候に恵まれ、山から流れてくる川の水も栄養