【ゲームレビュー】BLUE PROTOCOL 【凡】
初めに覚えたのは、諦めだった。
9年の時を経て、満を持しリリースされたゲーム、バンダイナムコが送る国産MMORPG「ブループロトコル」。これをプレイした私の感情です。
今回は現在私が一週間の間心血を注いだそのゲームについて、独白のような形式でレビューをしていきます。
ゲームプレイ時の感想
リリース初日
私はここ数年、意図的にMMORPGには触れないようにしています。MMORPGが好きすぎるからです。実際、去年にPSO2NGSを触ってしまったときは、二週間で200時間ほどを投資してしまいました。そのときは当時のエンドコンテンツをクリアできる程度の装備を整え、底が見えたことで「こんなもんか」と飽きが来たので事なきを得ました。NGSが無印の時と同程度のコンテンツ量を誇っていたら、危ないところでした。
そんな私は、やめとけばいいのに、新作国産MMOと聞き本作に飛びつきました。
まず私の前に立ちはだかったのは過酷なログイン戦争です。午後八時にメンテが明け、そこから続いたログイン戦争。ランチャーに表示される接続ボタンを押し続ける作業が終わりを迎えたのは、午前四時のことでした。しかしその程度のことで酷評をする私ではありません。これでも私はMMOに限らず多くのオンラインゲームの産声を聞いてきたゲーマーですから、VCでは友達と「これはクソゲーだ」やら「これは収縮と拡張を繰り返す点三つを観察することによって禅を習得できる神ゲーだ」やら馬鹿にしましたが、心の奥底はほとんど動きません。
睡眠時間が大変なことになるので、結局その日はキャラメイクだけして寝ました。
2日目
楽しく遊んでいました。クラスはイージスファイター、タンクが腐るわけがないと高をくくり、いざ出撃。ストーリーを進めたりフィールド狩りをしたり装備を作ったり。レベル15程度まで進めて寝ました。この時点ではまだ、「まあ普通に面白いかも」程度の感想でした。
3日目
このゲームがMMORPGではないことに気づきました。プレイヤー間取引が存在しない。ロールによる役割などない。適当なスキルの適当なCT。火力至上主義。個性なんて一ミリも出ない装備とステータス。そんな中エンドコンテンツは6人PtでのID周回。
いや、原神のマルチ版かよ。
このゲームの本質を知った私は、このゲームに対し「諦め」の感情を覚えました。もう国産MMOは駄目かもしれない。吐き気を覚えるほど口当たりのいい、グラフィックにだけ金をかけた、ゲーム性の薄弱なこれは、これは私の求めていたゲームではなかった。もうやめよう、と思いました。
このゲームにかける気力もなくなり、だらだらとネットの海を泳いでいると、一つのツイートが目につきます。
「レベルカンスト、エンドコンテンツ完走しました!FF14から移行したパーティでやってます!ブルプロ最高!」
そんな内容だったと思います。私はこの発言に対し無性に腹が立ちました。
こいつ、MMOなんて好きじゃないだろ、と。
俺は、このゲームが拝金主義者によって無駄に長い時間をかけて排泄された産業廃棄物であることを主張しなければいけない、と。
そのような使命感に駆られた私ですが、それを成すためにまず何をするべきか。それは、最強になることです。ゲームの世界では、実力のないものに発言する権利はありません。決意を抱きました。
レベル25、キャラクター名:レクプラム。このゲームと決別する、そのための旅が始まりました。
4日目
いくら感情が昂ろうと、体力がなくては何もできません。昨日はあのあと即寝、本日は起床とともにPCの前へ。
この日から効率厨プレイを始めました。最高効率の経験値取得ルートを、クエストをこなしながら考え、しかし余剰の経験値は共有スキルのためサブクラスに吸わせる。そのようなプレイをし、約40レベルで本日は終了。
5日目
装備更新、ストーリー制覇、レベルカンスト。上級調査と呼ばれるエンドコンテンツに挑戦するも、私含め野良マッチングは全員装備が紙くず同然、立ち回りもビルドも知らないゴミばかり。仕方なく武器の火力を盛りましたが、しかし盾は本作随一の不遇職だということに気づきました。厳選した最終装備で出す火力は、装備とも呼べないような何かをつけた他職の火力に負け、サブクラスの本格的な育成を開始。環境が整うまで玉を育成することに。
6日目
ひたすら玉のレベル上げ。20レベル程度まで育成し終了。また、盾のための武器を作るため泣きながら上級調査周回。無事作成完了。
野良での周回は効率が悪いため、昨日応募していたガチ勢が集うチームですが、比較的育成が早かったためすぐに合格通知が来ました。
7日目
例のチームで固定を組んでひたすら上級調査を回す。
ここで人の温かさに触れ、ネトゲ的な楽しみを感じてしまうという戦犯を犯しました。このようなゲームでも、他人とのコミュニケーションツールとなる。そういった点でオンラインゲームであることを実感した日でした。
ちなみに引きは悪く、厳選どころの騒ぎではありませんでした。
8日目
ひたすらにサブクラスである玉のレベル上げ。レベル30ほどで一旦就寝。それ以外の進捗は特になし。
以上が私が歩んだ本日までのブルプロの道となります。
総評と概要
総評
・MMORPGではない
これは私が勘違いしていたのですが、そもそもこのゲーム、オンラインアクションRPG的なアレらしく、MMOを謳っているわけではないようです。
3日目の文章ではひどくこき下ろしましたが、これは私がMMOを求めてしまっていたがため起きた事故でした。とはいえ一般的に本作はMMOとして扱われているため、今回の私の主張としては「これはMMOではない」の一点に尽きます。
・オンラインゲームではある
いくらMMOとしては量産型でゲーム性が薄くコミュニケーションが生まれにくい環境であったとしても、本気で強くなろうとすればそこに人とのつながりは生まれてきました。その点でオンラインである意味はあったな、と考えています。
これらの理由により、私のこのゲームに対する現時点での評価は、「流行りの量産型原神ライクMMO調オープンワールドの凡作ARPG風無限集金装置」略して凡作であると判断しました。
良い点/悪い点
良い点
・グラフィックがアニメ調のゲームの中では最高クラス。そのため街での没入感は圧倒的
・多くのプレイヤーがいる
・運営がPtWにしないと公言している
悪い点
・投げやりなバランス調整
・ハンコ顔しか生まれないキャラクリ
・最低画質でも重い動作
・服を手に入れるためにあまりに酷いガチャ課金が必要
・なぜか序盤のレベリングが最難関
・時短以外のPtW要素が明らかに存在している
・MMOではない
さいごに
私はこれから、明日までにサブクラスのレベルをカンストさせ、次のメンテまでに4ソケのLv50武器を作り、はめるプラグはすべてG3,G2の星4以上火力盛り構成というような装備厳選をすませ、現環境で最強の職において最強の装備に身を包んだ最強のプレイヤーになろうと思います。長めに考えても、所要時間は約80時間。もし来週にコンテンツ追加のアプデがなければ、さらに1週間ほど時間を使えるため、十分現実的な目標でしょう。それができたら、私の中でこの作品との決着をつけることができ、存在するコンテンツを遊びつくした私は、本作が取るに足らないゲームであることの証人となるのです。
それが終わって、もしブルプロにハマるという愚行を犯していなければ、私は私の内側から溢れ出るこのMMO欲を満たすために光の戦士に転生することでしょう。
とはいえ私は自分がまだブルプロにはハマってはいないと思っていますし、そんな日は訪れないでしょう。だってこの作品は、私の期待を裏切り、失望させ、私はそれに怒っているのですから。
ところで、「ゲームに対し怒る人こそが、本当にそのゲームにハマっている人だ」なんて誰が言ったんでしょうね。私はこのゲーム、本当に嫌いなのに。
BLUE PROTOCOL 総プレイ時間:100時間超(見込み200時間弱)
評価:凡作
※評価はリリースから9日時点のものです。
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