現実と妄想の境目、そしてちょっとおばさん
地元の情報番組をなんとなく見てたら
レポーターの女性が、「今これが売れてます」って紹介してるコーナーで、なんてことない、
どこでも見るようなコーナーで、
ただテレビがついてたから目だけ見てるだけだったんだけど。
ある瞬間、画面に釘付けになった。
女性が、「わぁ、これ美味しいですね〜」と手を口に当てて話している場面。
…………指輪ごつ!
もう紹介してるものとか全く耳に入ってこず、女性の付けてる指輪がごつすぎて、それしか気にならない。
今日は指輪の紹介かな?ってくらいに、私は指輪しか見てない。
いいよ、いいのよ。
誰がどんな指輪を付けるのも自由だもん。そんなに心狭くないよ私だって。
ただね、違うのよ。今じゃないのよ。今、仕事中なのよ。テレビに映っちゃってるのよ。こういう番組、しかも何か紹介するコーナーではその指輪はつけない方がいいかなと思うわけよ。完全に商品が負けてるの。指輪の一人勝ちなのよ。
確か、その女性の旦那さんはスポーツ選手だったような。その情報があるから、更にその指輪に目がいくわけ。
結構お高そうだけど、下世話なこと聞くけどおいくらくらいかしら?って私の中のおばさんが顔を出す。
あんまりにも釘付け、目が点になったので、夫にそのことを話した。
私 「ねー?すごくない?私がレポーターだったら付けないかなー。私だったらね。えー、感覚が違うんかなー。いや、やっぱ付けんわ。クレーム来そうで怖いもん。私ビビリやし。」
と、興奮して話す私に
夫「指輪欲しいの?」
…………違うやん。そういう話やないやん。
いや、もしかしたらそうなのかもしれん。だから私は彼女の指輪に異常に食いついたのかも。でも、言わせて。私はあのごついのは選ばん。
そんなやりとりから数週間後、
夫が高速を運転中、まさかのその番組の再放送が!しかもあの回!
私「見てぇぇぇぇー!これこれ、私が前に話してたの!」
夫「え?何?」
私「前に指輪の話したやん!」
夫「あぁ。」
すでに温度差がすごくて耳キーン。
私「ほらぁ!ねー!すごいよね?今日もごついわー」
もう夫は半分聞いていない。
私だけ興奮している。
結構、運転中ということもあり、夫に見てもらえず、ただのでかい独り言となってしまった。
それからまた数日後。
また、あのレポーターが出ている。
もう私は彼女から目を離せない。
今日は外してるよね?私あんなに言ったもんね?レポーターだから、商品より指輪目立たせたら、指輪のコーナーになるからね。さすがに外してるよね?
女性「今日はこちらを紹介します💁♀️」
その手にはこういうのが付いてた。
もうデヴィ夫人やん。
これは、おもちゃだけど、そんなに大袈裟でもなく、結構限りなくこれみたいどどーんと乗ってるタイプのやつを付けていた。
もう、あんだけ言ったやーーーーん。
クレーム必至よ。
もう私、かばいきれんよ。知らんよー。
あるかわからない、私が作り出した仮想クレームに対して、その対応まで考えたりして私の妄想もなかなかなもんやな。
結局、私は彼女に首ったけになってしまった。
もし、これが視聴率を上げる作戦の1つだったとしたら……
もし、これが指輪を買わせる為の伏線だったとしたら……
もし、これが彼女の認知度を上げるためのものだとしたら……
私は再放送含め、毎回見てしまっているし
指輪はどこのかはわからないけど、わかってたらHP覗くだろうし、
彼女のプロフィールも見てしまって閲覧回数増やしてるし。
まんまと罠にハマっとる。。こわ。