DSC_2308_渋野選手たらたらしてんじゃねえよ

【緊急コラム】おめでとう!全英女子オープン・ゴルフ優勝 スマイル・シンデレラ渋野日向子選手!

誰が彼女の優勝を予想したであろうか。
誰がメジャー初挑戦の選手の優勝を予想したであろうか。
誰が昨年プロデビューした二十歳の選手の初の海外試合での優勝を予想したであろうか。

全英女子オープン・ゴルフを優勝したその彼女は、渋野日向子選手。
おめでとう!
日本女子プロゴルフ界では、樋口久子さん以来42年ぶりのメジャー制覇となった。
私は日曜深夜27時、テレビの前で歓喜の瞬間を見届け、歴史の証人となった。

その昔、男子テニス界では錦織圭が新星のごとく現れ、男子ゴルフ界では松山英樹が一躍世界に名をとどろかせ、どちらが早くメジャータイトルを獲るか?という議論で居酒屋が賑わっていたころ、私は飲み友達に「錦織でもなければ、松山でもない。メジャータイトルを一番早く獲る日本人選手は全英女子オープン・ゴルフで勝つ女性選手だよ」と冗談交じりに、いや本気で言ったことがある。なぜなら全英女子オープン・ゴルフは勢いのある日本人選手がたくさん招待されるからだ。そして、全英女子オープン・ゴルフは日本人選手と相性がいい。その中からシンデレラガールが誕生すると思っていた。しかし、ここ数年、チャンスはあるものの全英女子オープン・ゴルフを制覇する日本人選手は現れなかった。そのうちに、なんと女子テニス界では大坂なおみ選手が全米オープン、全豪オープンとメジャーを制し、私の予想は見事に外れることとなった。

そんなことはどうでもよい。渋野日向子選手である。
昨年プロデビューしたばかりで、今年5月、サロンパスカップを優勝し、7月には資生堂アネッサレディスオープンにも優勝した超新星プロゴルファーである。
この選手が42年ぶりにメジャーを制してしまったのである。
私が見るに、この選手の最大の特長はパットの思い切りの良さにある。優勝を決めた最終日最終ホールでのウイニング・パットは約5メートルと、決して短く簡単なバーディ・パットではなかった。それを勇気をもって超強気に打ち、カップの向こう側に当ててねじ込んだ。
彼女のパットは4日間を通して、常にこの強気一辺倒だった。
この姿を見て、私は思い出した選手がいる。
それはタイガー・ウッズ選手だ。
彼が光り輝いていた頃、パットはいつも強めに打った。それをことごとくねじ込んできた。
渋野日向子選手にそんなタイガーの姿がダブって見えた。

最後に、彼女が16番や18番ホールのフェアウェーで食べていた「タラタラしてんじゃね~よ」スティック菓子。
これは、「よっちゃんいか」でおなじみのよっちゃん食品工業の魚肉ねり製品。
さっそく、コンビニで売り切れになっているようだが、これ、ただ腹の足しに食べていたのではない。その前にはおにぎりもほおばっていた。
彼女が16番と18番のセカンドショットを打つ際、前の組がグリーン上でまだプレーしていたため、待っていたのだ。察するに、前の組はプレーがスローで、この日はよくこのように待たされていたんだと思う。
タラタラしたプレーに「私イライラしてるの」という思いをギャラリーに、そしてテレビの向こうの日本人観戦者にユーモアを交えて表現していたのだ。そこで、前の組に対し「タラタラしてんじゃね~よ」とスティック菓子でアピールしたのだ。
彼女がちょっとしかめっ面でスティックをポッキーを食べるかのようにポキッ、ポキッとオーバーアクションでへし折りながら食べていたのは、そういうことなのだ。
こんな余裕のある日本人選手を私は見たことがない。

彼女が日本の店でこの「タラタラしてんじゃね~よ」をニコニコしながら選んでいる時点で優勝は約束されていたのかもしれない。


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