ジャズトランペッター日野皓正氏はプロが指導者、対して番組『奇跡のレッスン』(NHK Eテレ)は指導者のプロ_20170910京成杯
8月20日に行われた東京都世田谷区教育委員会主催の中学生の体験学習コンサートで、ルールを守らなかった男子生徒が、世界的ジャズトランペッターの日野皓正氏によりビンタされた「往復ビンタ騒動」がマスコミで報じられた。これには賛否両論、いろいろな意見が飛び交っている。
まだ映像をご覧になっていない方のために、その時の映像がこちら。
[31秒]
体罰はいけない。それを前提で語りたい。
何度も同じ過ちをしでかす子、何度言い聞かせても聞かない子、こんな生徒はどこにでもいる。北朝鮮にもカリアゲた生徒が。。。そういう生徒たちにはどのように指導したらよいのだろう。
見放す指導者と体罰を与える指導者、どちらが指導者にふさわしいのだろう。あるいは根気よく言い聞かせを続けるが聞いてくれないあまり、今度は指導者がストレスフルになったり、鬱になったりする、これで良いのか。
個人的には、見放す指導者は指導者失格だと思っている。責任放棄はどの職場でも最悪だ。だから見放すくらいだったら、鬱になるくらいだったら体罰もやむなしだと思っている。当然、行き過ぎた体罰はこの限りではない。普通の生徒、普通の人間だったらいわゆるこれを「愛の鞭」と捉え、更生する。
さて、以上を前提に日野皓正氏の「往復ビンタ」はダメなのか。
まず映像を見ると、この生徒のソロが必要以上に長く、他の生徒たちに迷惑がかかっていた。そこで日野皓正氏がこの生徒に寄って行って、スティックを放り投げた。これで普通の生徒なら「はっ」と正気に返り、自分のしたことを改める。
しかしこの生徒は我関せずで引き続き素手をスティック替りにドラムをたたき続けた。これは叱っても聞き入れてくれない状態だ。
こんな状態で、しかもお客さんがいる演奏中で、彼と1時間話し合うことなど非現実的だ。だから体罰を加えたのだ。
私は日野皓正氏のビンタはツカツカと寄っていきなりしたのならアウトだが、一段階生徒に考える猶予を与えたうえでの止む無い行動だったと考えれば妥当だったと思う。
この後、この生徒も親も日野皓正氏に謝罪しているところをみると、「愛の鞭」を感じ取ったまともな家族であったと思われる。
しかし、そもそもなぜ日野皓正氏なんだろう。
彼は「現役バリバリの」アーティストだ。
引退した指導者ではないのだ。だから演奏には熱くもなるだろう。
なぜ教育委員会は本当の指導者を連れてこなかったのだろう。有名なプロが優秀な指導者とは限らないことは、プロ野球などで良く見る光景だ。
生徒たちに教えるのは有名なプロではなく、現役引退した指導者のプロであるべきだ。
そこで、指導者のプロたちをご紹介する。
NHK番組『奇跡のレッスン』(NHK Eテレ 毎週金曜 午後10時 | 再放送 毎週月曜 午前0時45分(日曜深夜))をご存じだろうか。
この番組は、海外で活躍するスターたちを指導してきた「指導者のプロ」を連れてきて1週間ほど小中高生たちを指導する番組だ。そのユニークな指導方法が身につき、みごと1週間足らずで成果をあげる、まさしく『奇跡のレッスン』なのだ。
私のこの番組との出会いは、サッカーだった。
元フットサル日本代表監督のミゲル・ロドリゴさん(スペイン)が指導していたが、日本のスポーツの悪いところと良いところを認識して、生徒たちにアドバイスをする。日本人なら大事にいくところを「なぜ勝負しないんだ!」と生徒に戦う気持ちを促す。
そして決して失敗を怒らない。むしろチャレンジ精神を褒め称える。拍手を送る。
ここで私が特に感じたのは学んでいるのは生徒だけではないということ。
日本人指導者にロドリゴさんの指導を学んでほしい。
日本人指導者は楽しむスポーツを教えているのではなく、体育を教えている。失敗を怒り、失敗するなと教える。だから生徒は失敗しないようにする。つまりチャレンジしなくなるのだ。
だからこの番組の外国人指導者たちはまず最初に練習風景をみると、「まるで軍隊のよう」と非難する。
そこに気づこうよ、日本人指導者たちよ。
いままで自分が経験してきたことだけをやらせるのは簡単だ。でもちょっと待ってほしい。その経験すべて、正しかったのか?を自問自答してみることだ。そして、頭を柔軟にして経験していなかったことを勉強して指導に役立ててこそ指導者だ。かつての日本の体育のコピーはもういらない。
この番組はほかにバスケット、野球、ゴルフ、バレーボール、女子サッカー、陸上100m、そしてスポーツ以外でも合唱、アート、料理などいろいろな分野の指導者のプロが1週間指導する。
各編共通して言えることは、先にも述べたが失敗を叱らないということ。うまくいったことをべた褒めすること。日本人以上に絆を大事にすること。「One for All, All for One」のラグビー精神がすべての編で(個人のアートでさえも)訴えられていることが特徴的だ。とくに特別なテクニックを教えているのではなく、メンタルな部分を強化する。意識させることだ。
そうすると、できなかった子どもが楽しそうな表情になる。集中できていなかった子どもが真剣な表情になる。失敗は叱られないが、絆を疎かにすると叱られる。だから周りをフォローし、人の役に立とうとする。
するとどうだろう。できの悪い子供たちが2,3日で見事に成果をあげる。これは驚愕だ。
一番できる子はほっといてもできる。ただ、辞めようかなと思っている子が楽しそうに練習し、技術が目に見えて進歩し、周りから評価され、無くてはならない存在だと認識する。そして進学しても続けたいという表情に未来は明るく感じた。
バレーボールでは地区で弱かった中学校が、番組1週間が終了した直後にブロック優勝するなどまさに奇跡だ。
子どもの数だけ感動がある。
最後に、挿入歌である番組最後の曲は、MONKEY MAJIK の「空はまるで」という曲です。この曲がまた涙を誘うのです。
さて、本日は京成杯。
②ボンセルヴィーソを狙う。
数少ない3歳馬で今が教育中。4か月の放牧で走りたくて走りたくてしょうがないはず。休み明けを好走してポン駆けだ。
ちなみに直近の番組紹介。
・本日深夜24:45 再放送 奇跡のレッスン「一瞬で“考え” 先を読め! 卓球(前編)」
・9月15日金曜 NHKEテレ1 午後10時00分~ 午後10時50分奇跡のレッスン「一瞬の“挑戦”を楽しめ! 卓球(後編)」
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(勝馬投票は自己責任でお願いします)
[今年の当たり]
◯エルムS ロンドンタウン4人気1着
◯アイビスSD ラインミーティア9人気1着
◯ラジオNIKKEI賞 ウインガナドル8人気2着 ロードリベラル9人気3着
◯宝塚記念 ミッキークイーン 4人気3着
◯NHKマイルC ボンセルヴィーソ 6人気3着
◯大阪杯 ステファノス 7人気2着
◯中山牝馬S トーセンビクトリー 5人気1着
◯きさらぎ賞 アメリカズカップ 6人気1着
◯京都金杯 ブラックスピネル 6人気2着