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東京ドームなう! から見る「現在の常識は未来の非常識」_20170820札幌記念

金曜日、野球観戦に東京ドームへ行ってきた。巨人-横浜DeNAだ。
バックネット裏で三塁ダッグアウト寄りの良い席だった。

席に着いて、スタメンをみると、私のアンテナにビビビッ!と来るものがあった。


さてみなさん、上の写真(ピンボケですみません)のスタメンからなにか違和感を覚えた方はいらっしゃいますか?
巨人ファン、横浜DeNAファンでなくとも野球好きな方なら何かに「気づく」かと思われますが・・・。



どうでしょう?
気づきましたか?



そうです。
左側の横浜の打順です。
8番1石田(8番打者ピッチャー石田)
9番6倉本(9番打者ショート倉本)

野球の常識ではピッチャー(投手)は投げる人なので、打つ方はからっきしダメとされ、打順も右側の巨人投手田口のように投手は一番最下順の9番に置かれるのが常とされてきた。

当然、打撃で期待できるのは投手石田よりショート倉本のほうだ。
ではなぜ常識はずれの8番投手という戦法を横浜のラミレス監督はとってきたのだろうかを検証する。


            (ベンチへ向かうラミレス監督。こちらをチラ見)

このラミレス監督、「ラミちゃん、ペッ!」という現役時代のアホみたいなパフォーマンスぶりからは想像もできないほどすばらしい監督だ。

ラミレス監督がその常識はずれの「8番ピッチャー」とした理由は、なにも投手石田が打撃もすばらしいからではない(たまたまこの日は投手石田は2安打と気を吐いたが)。


私が考える理由は2つある。

1.   打順を個々で考えるのではなく、つながりを重視しているため。つまり打点ではなく打線をイメージしている。8番-9番のつながりより9番-1番のつながりを重要視しているのだ。その回の先頭打者が9番のとき、9番-1番-2番の打線ではなく、もうひとつの1番-2番-3番の打線にするのだ。だから9番打者にはホームランが期待できる大砲型ではなく、足が速く選球眼が良い打者を置く。それが横浜の9番打者倉本だ。

2.   現在のプロ野球は昔と異なり、投手が完投(一試合9回を先発投手が投げ切る)するのは稀であり、米国式に先発-中継ぎ-セットアッパー-リリーバーと分業システムが成り立っているので、投手がバッターボックスに立つのはせいぜい2回か3回で、あとは代打を送られる。先発以降の投手に至っては、まず1回も打席に入ることはない。
そう考えると、8番に打撃の優れた代打が送られる試合の中盤は、9番打者より8番打者のほうが期待が持てるという、「非常識」が「常識」に生まれ変わる瞬間だ。


さらに「1.」の補足だが、従来の9番打者投手-1番打者(俊足)だと、何かの拍子で投手が出塁し、次の1番打者も連続出塁すると、前がつっかえて後ろの1番打者の俊足が宝の持ち腐れになってしまうのだ。
こういう状況を防ぐ意味でも、投手を8番に置き1番と離して、俊足の9番打者と、同じく俊足の1番打者が並ぶようにすると「線」になり、はるかに効果的なのだ。

このように「8番ピッチャー」は私にはプラスしか見えない。
そこに気がついたラミレス監督は他の監督よりすばらしいと思える。
後で調べると、4月ごろから「8番ピッチャー」戦法を使用している。
やはり伝統にこだわらない頭の柔軟な外国人だからなせる業なのかもしれない。

しかしこれはなにもラミレス監督がはじめて試した戦法ではない。
その昔、巨人V9の時代、川上監督はよく「8番ピッチャー堀内」(そのときは9番ショート上田や9番キャッチャー吉田が多かった)という打線を組んだものだった。

だがこれは、たぶん私の上述した2つの理由からではない。
それは、投手堀内が打者堀内としても優秀だったからにほかならない。


では、どれだけ優秀だったか。


投手の輝く記録「ノーヒットノーラン」を達成した日本の投手は数あれど、この堀内投手はノーヒットノーランを達成した試合で、打者堀内は自身3打席連続ホームランを放った驚愕のノーヒットノーラン投手なのだ(蛇足だが4打席目もヒットでこの日は4打数4安打3本塁打)。あとにもさきにも、未来永劫こんな記録は誰にも達成できないと断言できる。

あっ、一人だけいた。
二刀流の日本ハム大谷投手だ。彼にはその可能性がわずかながら残る。
逆にいうと、堀内投手も二刀流だったらどんなに夢が広がっただろう。


「堀内二刀流」なんて、常識を覆すことはあの名将川上監督でさえもできなかったろう。
それほど堀内は類い稀な野球センスをもっていた。

おまけに、投手堀内は引退試合の現役最終打席でもホームランを放っている。これはもはや投手ではない。

ことほどさように、堀内投手のセンスがずば抜けていたので川上監督は単に投手堀内を打者としても期待していただけと見るのが筋だろう。つながりや代打を考慮した結果ではない。それゆえ堀内以外の投手が先発の時は常識通り「9番ピッチャー」だ。

だから川上監督とラミレス監督では同じ方法を取ってはいるが、その思考は全く異なる。
私はパリーグがDH制をとった時から「8番ピッチャー」の有効性を感じていた。
「打線は点ではなく、線だ」という野球監督が多い割に、誰も「8番ピッチャー」を採用してこなかったのは不思議だ。


巨人ファンの私は現在の巨人監督である高橋由伸監督にこそ常識を覆すオリジナリティあふれる采配をしてもらいたいのだが、「伝統の巨人」「巨人軍は紳士たれ」など監督の自由を奪うイメージが強い。あの有名なオーナーや偉大なるOBの面々が頭に浮かぶと優等生高橋監督は自分では何もできない操り人形にさえ見える。
新人監督にとってチームが調子良い時は良いのだ。何もしなくても選手がやってくれるから。ただ、ひとたび調子が悪くなると、それを立て直す術を知らないのが新人監督。その術を知っているのは経験のある監督だ。あの長嶋監督だって1年目は最下位だった。
私は1年目の高橋監督が1年目の長嶋監督にダブって見える。


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さて、このように「非常識」を「常識」に変え、「現在の常識が未来の非常識」になるのは野球だけではない。
人生、会社においても言える。

会社の仕事の工程などは従来からあまり変化ないのが普通だ。
なぜなら決められたことをこなすのが優秀な社員とされてきたからだ。
そしてひとつひとつのタスクに慣れてくれば5時間かかっていたものが4時間になり、3時間になれば社員も会社もWin-Winだからだ。

しかし、その工程の無理、無駄、矛盾に「気づき」、それを主張する社員は叩かれる。
言われたことを従順にやらないからだ。そして大人の事情もあるからだ。


しかしその常識を覆す主張こそ、本質を見ているし、将来の会社にとってはるかに有意義になるということを会社も上司も気がついていない。
5時間のタスクが10分のタスクになり、もう一つの5時間のタスクは無駄で削除できる、ということに気がつかないのだ。

このように何事においても「常識は疑ってかかる」べきである。
そうしないと、あなたは将来、非常識人だったと笑われるのがオチだ。


私は物事の事象の中にある矛盾にいち早く気づき、勇気をもってそれを主張し、改善提案をしていく人間でありたい。
たとえ叩かれても、たとえ反感を買っても、会社にとってそれが有意義である確信をもてたのなら、常識を覆す人間でありたい。たとえ却下されても、次の事案にトライ・アンド・トライだ!
ラミレス監督のように・・・。


さて、本日は距離2000mの札幌記念
狙いは④ロードヴァンドール。
父ダイワメジャーはマイルを得意とするスピード馬。
その産駒もその血統を受け継ぎ、1200m、1600mを得意とする短距離馬が多い。
しかしそういう競馬界の常識を覆す「非常識」馬がいるのもまた血統の面白いところだ。
たまーにだが、ダイワメジャー産駒には2000m、2400mなど中長距離を得意とする馬がいる。
そこに「気づいたら」もう勝ったも同然。
<ダイワメジャーの長距離=消し>という「常識は疑ってかかるべき」だ。


[おまけ2枚]

(のっしのっしと土俵に向かう関取、じゃなかった、ゆっくりバッターボックスへ向かう村田選手)


(巨人サヨナラの回、1アウトでバッターは皆が注目しているスターの長野選手。私はもう先を見ていて、次打者が投手だったので誰を代打で使ってくるのかな、と思ってネクストバッターズサークルを見ると、なんと恵まれたガタイ(身体)の良さ。これはひょっとするとひょっとするかもと期待。背番号61の中井選手だった。長野選手がアウトで2アウトの後、期待に応えてこの中井選手ヒット。そして次打者宇佐見選手がサヨナラホームラン)



他人より早く気づき、他人より早く行動し、他人が気づいた頃に笑顔で降り、次を探るのが、競馬の穴馬券ゲットのコツであり、株の相場であり、人生そのものである。



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