今年は、僕の中の小さな花を咲かせるための努力を続けたい。
花弁の内側が外側よりも生長が盛んであれば蕾が開くという事実が、僕たちの小説形成の生理に示唆を与えるような気がするのだ。
上林暁「小説を書きながらの感想」
僕が上林暁という戦中〜戦後に活躍した作家の存在を知ったのは、京都市左京区にある古書善行堂さんの影響である。
古書善行堂さんについては、このnoteで何回も書いているが、古本ソムリエという異名を持つ山本善行さんが店主をつとめる古書店だ。
善行さんの一番のお気に入り作家が上林暁である。
ただ、この昭和の作家の作品を新刊