自民党改憲草案〜緊急事態条項の論点整理
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さて、本題のようで本題でない自民党改憲草案に入りたいと思う。
そもそも殆どの人は、改憲草案を見たこともなければ具体的に何が問題なのかも分からないだろう。しかも改憲草案としても、2012年の改憲草案と、2018年の「たたき台」の2つがあり、今回の場合後者をベースにしている、なんて話を知っている人はかなりの少数派だろう。
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そしてそのたたき台とはどう言うものかと言うと、
の4点だ。(1)についてはこちらの記事で少し触れたが、問題のある案だ。
また、(3)(4)については、そもそも論外(憲法問題ではなくあくまで法律その他で対処すべき問題)なので今回は触れない
と言うことで、ここでは(2)についてのみ取り上げる。
とは一体どんなことを言っているのか。
テキストが保護されておりコピペできない為、画像を貼る。
憲法改正の必要性欄から、重要箇所を抜粋すると、
「国民の生命と財産の保護」の観点から、
を目的とし、
この時点でもツッコミたい気持ちはあるが一旦控えて条文案に進もう。
これで明確に、この条文は「大災害」しか想定していないことが分かる。
それだけでも「緊急事態」の想定が甘い(勿論世論を恐れてこうなっている)のが分かるし、
こんな条文では結局どんなことが政府や国会の「責務」であり、「権限」なのかが明確ではない。
こちらの条文も同じで、任期の延長の話しかない。
一体どこに改憲反対派の懸念するリスクがあるのだろうか。
そもそも彼等(今)の懸念事項は主に。
ワクチンを強制されるようになる
と言うものだが、上記の条文のどこをどう解釈すればそのようなリスクが生じ得るのか、ただ単に論理的にそうであると言う見解を事実ベースで教えて頂きたい。
結局この誤解は、自民党が今回ベースにしようとしている2018年の「たたき台」ではなく、2012年の改憲草案のことだと勘違いしているから起きているのだ。
ここで念の為に誤解を防ぐ為に言っておくが、俺はこの自民党案に賛成ではない。こんな雑な案ではなく、もっとしっかりとした「規律密度(これは憲法に予め条件を細かく規定しておき、解釈の余白を減らそうと言う趣旨。具体的には「法律の定めるところ」に逃げずに憲法に具体的に明記すること)」の高い条文にせよと言いたいのだ。
改憲することは必須だが、
それは自民党案ではない。
国民の権利制限を改憲で行うのは間違いで、
統治機構がどのような権利と責任を持ち、また持たないのか、それを定めようと言っているのだ。
また、そうしなければ、現行憲法のままなし崩しで様々な人権侵害が起きるし、現に起きているから問題だと言っているのだ。
そしてこの今現に人権侵害を許している法律とどのような防止策が必要なのか、それについて次の記事で示す。