シン・エヴァ、感想。
僕と同じ男子なら、分かる人も居ると思うのだけれど、高校生やあるいはもう少し幼い頃、対等な大人に見られようとカッコをつけていた時代があると思う。
これも分かると思うのだけれど、高校生やもう少し幼い頃、初めて好きになったり、本気で好きだと思えた女の子は、良い思い出であれ、勿論そうでなくても、忘れ得ぬ人として心の中にいる事だろう。
その当時は子供だから、ただただ自分の事を見て貰おうと、なりふり構わず必死にアピールをする。しかし、自分の事しか考えていないのを相手に見透かされるのか、上手くいかないのが常である様に思う。
自分も相手も傷つけたりする、そんな場合もある。
そんな失敗を経験したからなのか、少しだけ周りの事を考えらるようになり、少しだけ大人の恋愛もどきができる様になった頃、また恋に落ちる。
自分も相手も周りを見れて、自分以外の事も大切にしたいと感じられるので、学生の頃のような甘酸っぱさはなくても、相手からの愛情の中に自分だけの自由な居場所を見つける事が出来る。そこは、誰にも邪魔されず裸の自分を限りなく受け入れてくれる様な場所だ。それはとても、幸せな事だと思う。
僕も貴方に、そんな居場所を提供出来たらいいなと思う。
僕らが経験する、喜びや楽しみと言った幸福、悲しみや喪失と言った不幸、それらは自分の主観をフィルターにして、人間関係の中から取捨選択される。出来事は、自分にとって都合のいい様に受動的に受け取る事もできるし、自分の望みになる様に能動的に変えていく事もできる。
自己では完結する事の出来ないヒトが、自分を縛りつける過去としての純粋な事実から解放されたり、或いは視点を変える為には、結果として自分を傷つける事になろうとも、誰かがつまづいたり、転んだりするのなら、そっと手を差し伸べられる勇気を持つのがいいのだろう。
シンエヴァも、度重なる失敗と小さな成功を繰り返して、子供から大人へ、夢から明日へのありふれたテーマを扱った物語だったと思う。
切なさは残るが幼い恋心に別れを告げて、シンジ君の隣を歩いていくのは、アスカでもレイでもないのが、それを象徴しているように感じられた。
学生でいられる内にこの映画を見れて良かったと思うと同時に、大人になりかけてる今見る事ができて良かったと思う。
#さようならすべてのエヴァンゲリオン #ネタバレごめんね
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