畑に横たわる大きな犬の正体
私は、小学校から帰るといつも、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの家の敷地を通って、お店を営んでいる母のいる場所へ戻る。
家族で商店を営んでいた我が家。幼稚園に通うまで、私は毎日ひいおじいちゃんの家で過ごし、幼稚園に通い始めてからも、体の弱かった私は、ほとんどひいおじいちゃんとひいおばあちゃんの家で過ごしていた。
火鉢にはいつも鉄瓶にお湯が沸き、シュンシュンと心地よいリズムを刻む。「ボーン ボーン」と時を知らせる柱時計。かまどで炊くご飯をおひつに入れ、かつお節を削り、いつ