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ブライトンのプライド・パレードはお祭り イギリス社会人留学

こんにちは、バッハ・コナカです。8月6日!この日はそう、Pride Paradeです。ブライトンはLGBTのコミュニティの場として知られており、大きなイベントがあちらこちらで開催されます。その日はバーやカフェもレインボー1色。ストリートで知らない人同士が立ちながらお酒を飲んでいたり、道ゆく人たちはもれなく虹色のメイクアップやアイテムを身につけていたりと、街全体がお祭りモード。そして何と言っても目玉はパレードです。

本題に移る前に。私のクラスには何人かサウジアラビアから来た男子がいます。彼らに学校で、「明日はパレードだよ!行く?」と聞くと、「行かないに決まってるよ。気持ちが悪い」と言うんです。あまりの物言いに「なんてレイシストな!」と言うと、「だって自然の摂理に反しているじゃん!アンナチュラルじゃないか」と言うんです、真顔で。サウジアラビアではゲイは禁じられているどころか、つい最近も虹色のアイテムがすべて店から撤去されたというニュースがあったくらい。そんな場所で育ったらそういう考えになるのも仕方がないのでしょうか。でもやっぱり納得がいきません。そこで思い出しました。日本の政治家にも「同性愛はアンナチュラル」くらいのことを平気で言う人がいる、ということを……。

とにかくその日は私も例外なくパレードを観に、街へ繰り出しました。パレードは誰でも申し込めば参加できるようになっており、一般のLGBTQコミュニティはもちろん、企業や(ヤフー、COSTAなど)、学校や大学、中にはポリスや消防車まで練り歩きます。この催しに参加しているということが、企業の社会的な思想と共感を表明することにも繋がるのでしょうね。「ソーシャルグッド」というものでしょうか。なかにはウクライナの国旗を掲げて闊歩するチームがいたり、さまざまなスローガンを掲げています。印象的だったのは、ビートルズの名曲「ALL YOU NEED IS LOVE」を生演奏と熱唱で披露しながら通ったブライトン・カレッジのレインボーのトラック。生徒たちが施したであろう手作り感あふれるデコレーションも相まって、ストリート全体がこの上なくハッピーなムードに包まれました。こんなふうにみんなが笑って楽しそうに一つのスローガンに共鳴している瞬間に立ち会うと、世界平和という起こり得そうにもない理想を信じたい、と思います。実際、諦めるべきではないのです。

そしてその日は夜にアイリッシュパブへ。シンガーによるミニライブが行われており、イギリス人が大好きな曲が演奏されていました。面白かったのが、OasisのWonderwallが演奏されるとパブにいる人々が一斉に歌い出したこと。しかもその後何回か別のシンガーによって演奏されてました。絶妙にピッチを変えたりキーを変えたりアレンジを加えながら。以前もビーチの音楽バーでWonderwallがかかった途端にお客さん全員が熱唱しているシーンに立ち会ったことがあり、イギリス人、この曲どんだけ好きなの?と(笑)。しかしそういう瞬間の謎の一体感も、なんだか異国から来た外国人である自分が一瞬でも溶け込めたような気がして、少し嬉しかったんです。
プライドに関しては、そこからさらに弾き出されるマイノリティの苦しさをポジティブな全体圧力で見えなくさせるといった問題点もあるでしょう。けれども声を上げることを街全体が肯定的にバックアップするということが日本から見ればとても希少。素晴らしい体験となりました。

「現地のギャルとクラブへ行った話」へ続くーー


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