3冊目 経済的思考のセンス 大竹文雄

3冊目は、経済的思考のセンス 大竹文雄 2005年 中公新書1824です。

大竹先生は、行動経済学の分野でも新書を出されており、それも面白いのですが、「日本の不平等」(新書ではありません)において、日本の不平等は固定的な<階級>ではないことを実証的に展開されたのがインパクトに残り、その年に出された新書を読んでみました。

日本の社会が上下移動が困難な絶対的な階級化の傾向ではなく、ゆるく相対的な階層状態にあることは、僕の理論にとっては重要なことでした。たとえば移民を大量に受け入れて、互いに意思疎通も容易ではない同族コミュニティーができていけば、階級化が生じるのは当然です。それは、いわば、国内に異文化に基づく異国ができるようなもので、階級というよりは、多様なコミュニティ-としてとらえるべきではないでしょうか。一方で、資本主義が発達してゆくにつれて、別減すれば技術革新によって生産性が上がってゆくにつれて、経済的な階級対立が激化してゆくという理説には疑問だったのです(ピケティ説にも同じく疑問でした)。

ということで、その安心の記念という感じで購入した新書でした。
この新書自体は、面白い読み物という感じで特にお勧めしません(ワラ)

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