World Monster Stories 【Episode 4】
「バーバ・ヤーガ」
世界中で語り継がれる、伝説のモンスターを紹介!「World Monster Stories」。第4回目は、ロシアの民話に登場する魔女「バーバ・ヤーガ」。
スラヴ民話に登場する魔女で、各種の民話で語られるほか、芸術分野ではムソルグスキー作曲の組曲『展覧会の絵』の1曲「バーバ・ヤーガの小屋(鶏の足の上に建つ小屋)」で知られる。
日本語では魔女や鬼婆、妖婆などと訳されてきたが、近年は「展覧会の絵」の副題にあらわれるバーバ・ヤーガの表記がされることが多い。
元々、スラヴ神話における冬の神話的表現に起源していると考えられていて、後にスラヴ人がキリスト教に改宗することで古来の神々は善神ならキリスト教の聖人、悪神や自然の脅威を象徴した神なら妖怪や悪魔に置き換えられていき、北方の凍てつく冬の神話的表現は恐ろしい魔女のような妖婆として、表現されるようになった。
また、サーミ人の文化圏では、高床式の倉庫がかつては造られていたが、これがバーバ・ヤーガの棲む「鶏の足の上に立つ小屋」という、モチーフの外見的な由来に影響があったと考えられている。
特徴としては、森に住む妖婆で、骨と皮だけに見えるほど痩せ、脚に至ってはむき出しの骨だけという、恐ろしい老婆の姿をしている。
人間を襲う魔女のごとき存在で、森の中の一軒家に住んでいて、その家は、鶏の足の上に建った小屋で、庭にも室内にも人間の骸骨が飾られている。
普段は寝ながら暮らしており、移動するときは細長い臼に乗る。
バーバ・ヤーガが右手で持った杵で急かすと、この臼は少しだけ浮かび上がり、底の部分だけ引きずって移動する。左手にはほうきを持っており、移動した跡を消す。
民話に登場するときはだいたい敵役で、子供を誘拐して取って喰うパターンが典型的。なので多くの物語では、彼女の助けを借りるのは危険な行為として描かれている。しかし、災いに陥った主人公たちを彼女が助ける民話もあり、たいていの民話では主人公が礼儀正しさ、節度の遵守、魂の清らかさを示せば善玉としてふるまうという一面も持っている。
■バーバ・ヤーガの登場するロシアの民話
・鷹フィニストの羽根
・うるわしのワシリーサ
・竜王と賢女ワシリーサ
・蛙の王女
・鵞鳥白鳥
・ダニーラ・ゴヴォリーラ王
などなど、非常に多くの作品に登場する。日本の山姥や鬼婆などの昔話と似ている部分も多く感じられる。
■バーバ・ヤーガを用いたコンテンツ
〇映画
・アナザー・ワールド 異次元の怪物
・パン種とタマゴ姫
宮崎駿の作品にも登場する。
〇漫画
・バーバ・ヤガー
・靴ずれ戦線ペレストロイカ
〇アニメ
・黒魔女さんが通る!!
〇絵本
・バーバ・ヤガー
〇PCゲーム
・バーバ・ヤガー
〇ボードゲーム
・バーバ・ヤガー
このように、様々なコンテンツに活用されていて、日本発信のものを多く存在する。やはり、日本の昔話の山姥と親和性があるからのようにも思う。
というこで今回は、「バーバ・ヤーガ」をお届け!
今後も世界の伝説のモンスターたちを特集していくので、お楽しみに~