朗読の世界に
私は、子どもの頃から本が好きだった。
読み始めると、一気にその世界へ連れ込まれる感覚。
周りが見えなくなって、部屋が暗くなっていることも気付かずに
夢中になって読んでいた時もあった。
私は、本を読むときは、いつも黙読。
黙読しただけでは理解しがたい文章の時は、声に出す。
しっかりとインプットしたい時も声に出している。
今までも「音読」はしていた。
でも「朗読」に興味を持つなんて、半年前は想像すらしていなかった。
朗読をすることになったのは、彼女の一言だった。
それが、物語を創作しているJidak(ジダック)さんだ。
「あなたの声が好き、その声で聴いてみたい」
声が良いとか、声が好きなんて、言われたことは今まで無い。
だから自分の声について意識したこと自体、無かった。
そんな私に「これ読んでみる?」と渡してくれた物語。
自分の記憶の引き出しにある懐かしい、ほろ苦い気持ち。
(あ~ぁ、この気持ち分かる)
物語を読んですぐに、主人公の気持ちを声に出して読んでみたい、
「朗読」というものをしたいと思った。
音読ではない朗読って何を意識したらいいのだろう?
私のスタートは、そこからだった。
音読と違って朗読のベクトルは、相手に向かうものであり、心に響くように伝えるということだ。
人に伝えるために感情を声に込める
どう声に込めたらいいのか。
自分の世界観を押し付けるのではなく、作者の描いている世界により近づけて届けたい。
そして聴く方の想像の世界を広げたい。
そんな読み手になりたいと思い、朗読に取り組み始めた。