B#2 アメリカンドリームを叶えるビザ編 ビザのなぜなに?
前回のエピソードはこちら
このnoteの目的は「日本が少子化と技術開発の陳腐化が進み、今世界で最も急速に衰退している国家であるという事実を受け止め、より良い環境を求め海外、特にあらゆる分野で最強であるアメリカに移住したいという日本人の背中を押す」事です。日本人として耳が痛く、プライドも傷つく長期にわたる残念な結果ですが、自分がどういう状況にあるのか客観的に整理し、(他人、集団としてでなく)自分がどう生きたいのかを見直し行動に移せる方にとって力になると思います。
第1章「解雇のち転職編」との時間軸を比較すると、この「アメリカンドリームを叶えるビザ編」(これから「アメドリビザ編」と略します)は並行して進んでいます。大体、第1章の3話目からアメドリビザ編が始まります。下記のノートですね。
この下の方に、
この辺からスタートします。しっかり伏線を張っていたのです。ふふふ。
解雇されてから約2ヶ月が経ち、強制帰国まで3ヶ月間を切ったあたりでしょうか。日本に帰国すれば自分にとっては就活をすれば楽で先も読める従業員としての生活が待っています。日英バイリンガルでそれなりに特技があれば日本は重税を取られはしますが、仕事はたくさんありますし、ビザや入国の心配もありません。ただ、自分の満足する人生を生きた気がしません。死ぬ時に絶対後悔するやつです。
そもそもなぜビザは存在するのでしょうか?なぜ同じ能力の人が一つの国では楽に生活でき、別の国では入国し仕事させてもらうこともままならないのでしょうか?
ビザは他国の住民を自国に入国する制限を課し、そうすることで自国にとって有利な人材を優先的に入国・居住させ、それ以外を入国拒否する制度です。目的としては治安維持や、国で足りていない労働者やスキル保持者の拡充、投資の引き寄せ、外交関係の促進や圧力をかけるなどがあります。日本もやっと自国の技術者や労働者不足に気づき始め、公式・非公式に移民政策を進めていますね。
アメリカはもともと人種のるつぼで、建国時から移民は入ってくる前提で移民政策が取られております。そしてこの政策次第で国民が怒ったりするので、特に大統領選挙などがあるときは移民政策についてもよく議論され、昨今アメリカでは違法移民に対する政策が論点になったりしています。
話を進めるために、ざっくりアメリカには主にどのようなビザがあるのか、こちらにまとめました。
これを読まなくても話が続けられるようにざっくりかいつまんで説明すると、非移民ビザの主なものは以下に別れます。
旅行目的
主なビザの種類:ESTA (90日)、B-2(6ヶ月)
レジャーを目的とした短期渡航ビザ。ESTAは厳密にはビザではない。就労不可。
短期のビジネス
主なビザの種類:ESTA (90日)、B-1(6ヶ月)
商談、会議などを目的とした短期渡航ビザ。就労不可
教育もしくは研修を受けるためのビザ
主なビザの種類:F-1(学生ビザ、卒業まで)、J-1(交換留学・研究者など、プログラム修了まで)
学業や文化交流を目的としたビザ。F-1は学校キャンパス内のみ就労可。J-1は学習や研究に関する就労は可能。
会社もしくは教育機関にて専門家・管理職として貢献するビザ
主なビザの種類:E-2(主に日系企業)、H-1B(主に非日系企業)、L-1A(多国籍企業の管理職)
主に企業を経営する、もしくは特殊な技能を持った人材が対象。それぞれのビザ申請を行った企業でのみ就労可能。H-1BとL-1Aには給与水準の要件も課される。
投資家や貿易商など、経済的に貢献するビザ
主なビザの種類:E-1、E-2
それぞれのビザ申請を行った企業でのみ就労可能。
いずれも見てわかるのは、就労制限がどれも厳しいです。これが基本的にビザの取りにくさとアメリカでの永住の壁に直結しているのですが、本質的にアメリカ国民の仕事を移民が奪うことは悪い事という考えが根にあります。
上記の1,2,3はそれぞれ滞在中にアメリカの経済に短期的に多くのお金を落としてくれるので経済的なメリットが有る上、F-1で来た優秀な学生がH-1Bを取ってアメリカに残ってくれれば多額の納税が期待できます。L-1Aもアメリカの管理職・経営者の収入ということで、1,000万円程度の年収はマストとなってきます。
ここまで厳しい水準を敷いておきながらも、まだ移民過多の状態が続いていることから、H-1Bは年間85,000人の発行数の枠に対してその4倍の申請があることから、2024年4月に行われた抽選で26%の当選率となっています。実際、私も今年とある企業のオファーを得て抽選に応募しましたが外れました。
ちなみに、このH-1Bに応募してくるほとんどの候補はインド人(70%強)か中国人(12%)です。日本人の割合は0.3%と、悲しくなるほどレアキャラです。今年と直近3年の結果はこちらです。
ですので、構図として、理系アメリカ人はアメリカより国として貧しく人口の多い国からSTEM系( = Science Technology Engineering Mathematics、いわゆる理系)の学位・修士を持った優秀な移民(候補)と収入の高い仕事を取り合うわけです。H-1Bビザのスポンサー数ですが、トップ3の企業は
Infosys Limited (インドIT系)
Amazon
Tata Consultancy Services (インドIT系)
4位以下にMeta, Google, Microsoftなどが続きます。インド勢強すぎです。
ちなみにどのくらい高収入かというと、H-1Bで働くビザホルダーの年収の中央値は2022年の時点で118,000ドル、当時の140円ドル換算で1,600万円です。インドの平均年収は70万円にも満たないので、インド人にとってまさにアメリカンドリームですね。これはある程度数を絞らないとアメリカ人が怒り、移民を進めすぎると政権は取れなくなります。
しかし、日本人にはインドや中国にない武器、もといビザの入手経路があります。それがE-1とE-2ビザです。そして、私が取得した「アメリカンドリームを叶えるビザ」がE-2ビザになります。
だいぶ長くなりましたので、E-1とE-2ビザの話は次次回にまわします。次回は、なぜアメリカにこだわるかについて、Whyをもう少し詳しくお話したいと思います。
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